特別企画

小林正樹監督特集

昨年生誕100年を迎えた日本映画の巨匠・小林正樹監督の特集


会 期:11月1日(水)~11月26日(日)※休館日・休映日除く
観覧料:600円(大人)500円(大学生・高校生)400円(中学生・小学生)

※定員制。各回入替制。
※チケットはすべて当日券。前売り券はありません。
※障がい者の方及び福岡市在住の65歳以上の方は300円。(手帳や保険証などの提示が必要です。)

※「わの会」会員の方は300円。(会員証の提示が必要です。)


小林正樹監督
1916年、北海道生まれ。38年早稲田大学に入学。大学卒業後41年に松竹大船撮影所に入所するが、42年に応召し同年3月には満州に渡る。終戦後米軍の労働要員として沖縄の捕虜収容所に移され、46年に復員。復員後「不死鳥」(47年)などで木下恵介監督の助監督となる。「破れ太鼓」(49年)では脚本も担当している。木下監督は小林正樹を高く評価し長編映画デビュー作の「まごころ」で脚本を提供している。小林監督は当初松竹らしいメロドラマ作品を監督していたが、次第に社会派の監督として名をあげていく。その最初の作品が「壁あつき部屋」であり、「人間の條件」などの日本映画史に残る作品を監督していく。「切腹」「怪談」などの重厚で芸術性の高い作品により海外での評価も高まり、世界十大監督の一人として71年度カンヌ国際映画祭25周年記念監督功労賞を受賞する。同時にその完璧主義から寡作となっていく。最後の作品は「食卓のない家」(85年)。96年に永眠。97年に毎日映画コンクール特別賞と日本アカデミー賞協会会長特別賞が授与された。



まごころ

監督:小林正樹 
出演:田中絹代 石浜朗     




11月1日(水)11:00  11月11日(土)11:00
11月15日(水)11:00


1953年/35ミリ/モノクロ/95分/松竹

©1953松竹株式会社

有賀弘は裕福な家庭で来春の受験を控えていた。ある日弘の部屋の向かいのアパートに野々宮清子、ふみ子姉妹が越してくる。ふみ子を見た弘は未知の感情に襲われる。またふみ子も弘にあこがれを抱く。小林正樹監督の長編映画デビュー作。脚本は小林監督の師である木下恵介。小林監督の又従姉の田中絹代が小林監督作品に出演する唯一の映画。

人間の條件 第一部・第二部 

監督:小林正樹 
出演:仲代達矢 新珠三千代     




11月1日(水)14:00  11月3日(金・祝)11:00
11月8日(水)11:00


1959年/35ミリ/モノクロ/205分/にんじんくらぶ=歌舞伎座映画
©1959松竹株式会社

昭和18年。満鉄勤務の梶は兵役免除とされ鉱山での労務管理の職につく。梶は同僚の美千子と結婚し鉱山に向かうが、そこは現地の工人を酷使する過酷な職場だった。そこに軍隊から捕虜6百人が特殊工人として送り込まれてくる。ベストセラーとなった五味川純平の同名小説の映画化。全6部、9時間という壮大なスケールで描いた反戦映画の傑作で、小林正樹監督の代表作。日本軍兵士として満州に渡った経験を持つ小林監督の入魂の作品。

人間の條件 第三部・第四部

監督:小林正樹 
出演:仲代達矢 新珠三千代     




11月2日(木)11:00  11月3日(金・祝)15:00
11月8日(水)15:00


1959年/35ミリ/モノクロ/176分/人間プロダクション

©1959松竹株式会社

軍への反抗から労務管理の職をとかれた梶は関東軍に配属される。梶を待っていたのは厳しい訓練と上官からの体罰だった。梶の部隊は国境に近い戦場へと移動、ソ連軍の部隊と対峙するのだった。「人間の條件 第一部・第二部」の大ヒットを受けて製作された。撮影はすべて北海道の原野で行われている。非人間的な軍の内部への告発、そしてソ連軍との戦闘は素晴らしい迫力である。

人間の條件 完結篇

監督:小林正樹 
出演:仲代達矢 新珠三千代     




11月2日(木)15:00  11月4日(土)11:00
11月9日(木)14:00


1961年/35ミリ/モノクロ/190分/にんじんくらぶ

©1961松竹株式会社

梶の部隊はソ連軍に壊滅させられ、生き残った兵士たちは避難民たちと合流し安全な場所を求めて歩き出す。梶は道中で戦争により被害を受け、また軍人たちにより被害を受ける一般の人々を知る。梶はソ連軍に捕まり収容所にいれられるのだが、そこを脱出し、美千子の元に帰る事だけを願い足を進めるのだった。戦争という行為がもたらす非人間性、そしてそれを乗り越えようとする梶の姿を描いた大河シリーズの完結編。

怪談 

監督:小林正樹 
出演:三國連太郎 新珠三千代   




11月5日(日)14:00  11月10日(金)14:00
11月15日(水)14:00

1965年/35ミリ/カラー/161分/東宝

©1965東宝

小泉八雲の「怪談」から4話を選び映画化したオムニバス作品。棄てた妻と久しぶりに再会する「黒髪」、山で雪女に出会い命を助けられた男の物語「雪女」、滅亡した平家一門の幽霊の前で平家物語を弾じる「耳無抱一」、茶碗の中に不思議な男の顔が見える「茶碗の中」の4話で、内容は怪談だが恐怖というよりは美しく耽美的で芸術的な作品となっている。小林監督初のカラー作品で、カンヌ映画祭審査員特別賞を受賞。なお本作は183分がオリジナルだが、上映するのはカンヌ映画祭で上映された161分のバージョン。

上意討ち—拝領妻始末— 

監督:小林正樹 
出演:三船敏郎 加藤剛     




11月5日(日)11:00  11月10日(金)11:00
11月12日(日)14:00

1967年/35ミリ/カラー/121分/東宝

©1967東宝

会津松平藩の笹原伊三郎は主君の側室お市の方を、上意により長男・与五郎の妻とする。最初は心配した伊三郎だが与五郎とお市の方は仲の良い夫婦となり子どもも生まれる。しかし主君の嫡子が死亡し、お市の方が世継ぎの母となったことで今度はお市の方を返上するよう命じられる。武家社会の非道な封建制を描いた事では「切腹」と通じるが、最後の武士の意地を通そうとする三船敏郎演じる伊三郎の迫力は圧倒的。

この広い空のどこかに

監督:小林正樹 
出演:佐田啓二 久我美子     




11月9日(木)11:00  11月12日(日)11:00
11月23日(木・祝)14:00


1954年/35ミリ/モノクロ/109分/松竹

©1954松竹株式会社


川崎市の酒屋・森田屋には主人の良一と妻のひろ子、良一の母しげ、学生の登、そして登の姉の泰子がいた。良一はやさしい人柄でひろ子と仲が良かったが、ひろ子は戦争で足が不自由になり婚期を逃した泰子と義理の母しげの間で苦労していた。泰子は劣等感から家にこもりがちで冷たい性格になっていた。しかし森田屋の昔の使用人俊どんが泰子を気にかけていることを知り、次第に気持ちが変わっていく。  戦後の市井の人々の姿を佐田啓二や高峰秀子、石浜朗などの俳優たちで描いたホームドラマの秀作。良一とひろ子そして登といった登場人物がおおらかで明るく、ささやかな幸せを感じることができる。小林正樹監督といえば「人間の條件」に代表される重厚な作品が有名だか、初期にこういった愛すべきホームドラマがあることは注目である。

壁あつき部屋

監督:小林正樹 
出演:浜田寅彦 三島耕    




11月4日(土)15:00  11月17日(金)11:00
11月19日(日)11:00


1956年/35ミリ/モノクロ/110分/新鋭プロ

©1956松竹株式会社

巣鴨拘置所には多くの戦犯たちがいた。山下は南方の戦場で非戦闘員の住人を殺した事で終身刑となった。横田は米兵の捕虜収容所で通訳をしていただけで拘置所に入れられたのだった。巣鴨拘置所に服役中のBC級戦犯の手記「壁あつき部屋」を、阿部公房が脚本化した作品。拘置された戦犯たちのやり場のない怒り、戦後の時代に生きていかなければならない現実を描いているが、対米感情への配慮から映画の公開は3年後となった問題作。

あなた買います 

監督:小林正樹 
出演:佐田啓二 岸恵子     




11月16日(木)14:00  11月22日(水)11:00
11月25日(土)11:00


1956年/35ミリ/モノクロ/112分/松竹

©1956松竹株式会社

プロ野球・東洋フラワーズのスカウト岸本は、大学の強打者・栗田の獲得を命じられる。だが栗田には球気という得体のしれない恩師がついており、各球団とも球気に取り入ろうとしていた。プロ野球のドラフト会議施行前。有力選手は札束をばらまいて獲得していた時代の裏話を書いた小野稔の原作を映画化。個性ある各球団のスカウトや突然の大金に目がくらむ親族の姿、また当時のプロ野球の映像などが興味深く、小林監督の出世作となった。

からみ合い

監督:小林正樹 
出演:山村聡 岸恵子    




11月17日(金)14:00 11月23日(木・祝)11:00
11月25日(土)14:00

1962年/35ミリ/モノクロ/108分/にんじんくらぶ=松竹

©1962松竹株式会社

会社社長の河原はガンとなり余命3ケ月と宣告される。そこで3億の財産を行方がしれない腹違いの3人の子供に相続させることを考える。顧問弁護士吉田、秘書課長藤井、社長秘書のやす子が集められ子供の行方を探す。南条範夫の同名小説が原作。財産の分け前を巡って繰り広げられる人間模様をサスペンスたっぷりに描く。岸恵子の豹変する悪女ぶりが見事。

切腹 

監督:小林正樹 
出演:仲代達矢 岩下志麻     




11月18日(土)11:00  11月22日(水)14:00
11月26日(日)11:00


1962年/35ミリ/モノクロ/134分/松竹

江戸時代。浪人・津雲半四郎が井伊家に現れ、切腹をするので庭先を借りたいという。半年前にも同様の事件があり、今回も同じたかりと判断した家老は半四郎を追い返そうとするが、半四郎は切腹をすると言ってきかない。何故半四郎が切腹したいのか次第に真実が明かされる橋本忍脚本が見事。仲代達矢の鬼気迫る演技も素晴らしく、カンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞した時代劇の傑作。

いのち・ぼうにふろう 

監督:小林正樹 
出演:仲代達矢 栗原小巻     




11月11日(土)14:00  11月16日(木)11:00
11月18日(土)14:00

1971年/35ミリ/モノクロ/121分/東宝

©1971東宝

江戸時代。深川の荒れ地にぽつんとある飯屋・安楽亭にはお尋ね者が集まり、禁制品の抜荷の仕事をしていた。八丁堀同心岡島と金子は安楽亭に目をつけていた。そんな時安楽亭の住人・定七と与兵衛は無銭飲食で袋だたきにされていた富次郎を助け、安楽亭に連れてくる。山本周五郎の小説の映画化。脚本の隆巴は仲代達矢夫人。社会からはみ出した無頼漢たちの心意気を軽やかに描いた秀作。

燃える秋

監督:小林正樹 
出演:真野響子 北大路欣也     




11月19日(日)14:00  11月24日(金)14:00
11月26日(日)14:00


1978年/35ミリ/カラー/137分/東宝=三越

デザイナーの桐生亜希は画廊経営者・影山の愛人だったが、その関係を終わらせたいと思っていた。ある日商社マンの岸田に出会った亜希は、岸田の実直な人柄に惹かれる。そしてペルシャ絨毯の取引のため岸田と共にイランに向かう。原作は五木寛之の同名小説。女性の自立がテーマだが、何よりイラン革命前のイランの映像が圧倒的で、ペルシャ絨毯やモスクの映像が素晴らしい。

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