特別企画

増村保造監督特集

60年代日本映画を代表する監督・増村保造監督の特集


増村保造について
1924年山梨県生まれ。東大法学部卒業。47年に大映に助監督として入社するがその後東大文学部に再入学、51年に卒業する。52年イタリア・ローマの映画センターに送った論文が合格しイタリア留学する。帰国後、溝口健二監督の「楊貴妃」などに助監督として参加。57年「くちづけ」で監督デビューし、日本映画のニューウェーブとして注目される。2作目の「青空娘」で女優・若尾文子とコンビを組み、以後名コンビとして「妻は告白する」など20作の作品を監督。「刺青」「卍」「盲獣」(69年)など独特の美学溢れる作品だけでなく、「黒の試走車」「兵隊やくざ」などプログラムピクチャーの娯楽作でも遺憾なく力を発揮している。大映倒産後は独立プロ行動社を設立。「曽根崎心中」などを監督している。成瀬巳喜男監督や今井正監督を批判し、新しい日本映画を作り上げた巨匠であった。86年脳内出血で死去。まだ62歳という若さだった。遺作は「この子の七つのお祝いに」(82年)。




会 期:5月1日(水・祝)~5月26日(日)※休館日・休映日除く
観覧料:
600円(大人) 500円(大学生・高校生) 400円(中学生・小学生)
※定員制。各回入替制。
※チケットはすべて当日券。前売り券はありません。(チケットの販売は上映の1時間前からです。)
※障がい者の方及び福岡市在住の65歳以上の方は300円。(手帳や保険証などの提示が必要です。)
※「わの会」会員の方は300円。(会員証の提示が必要です。)


くちづけ

監督:増村保造 出演:川口浩 野添ひとみ     




5月1日(水・祝)11:00
5月10日(金)14:00
5月18日(土)11:00

1957年/35ミリ/モノクロ/73分/大映

©KADOKAWA1957

欽一は選挙違反で拘留された父親に会いに行き、偶然章子と出会う。欽一はバイクを借り章子を乗せて海岸に遊びに行く。楽しい一日を過ごした二人だが、章子は父親の保釈金だけでなく、病気で入院している母親の治療費も払わねばならない。そのため体を売る決心をする。増村保造監督の記念すべきデビュー作。フランスのヌーヴェルヴァーグを連想させる新しい日本映画として注目された。

青空娘

監督:増村保造 出演:若尾文子 菅原謙二     




5月1日(水・祝)14:00
5月10日(金)11:00
5月19日(日)11:00


1957年/35ミリ/カラー/89分/大映

©KADOKAWA1957

伊豆の高校を卒業した有子は、本当の親が別にいることを知らされる。本当の父親である東京の小野家で暮らすことになった有子だが、兄姉たちからは家族の一員として認めてもらえない。それでも有子は青空のように明るく生きていこうとする。原作は源氏鶏太の小説。増村保造と若尾文子が初めてコンビを組んだ作品。若尾文子のはつらつとした魅力にあふれる青春映画。

巨人と玩具

監督:増村保造 出演:川口浩 野添ひとみ





5月2日(木・休)14:00
5月11日(土)11:00
5月17日(金)14:00

1958年/35ミリ/カラー/95分/大映

©KADOKAWA1958

ワールド製菓宣伝課の合田はライバルのジャイアンツ製菓やアポロ製菓に対抗するため、偶然出会った虫歯だらけの京子に目を付け、キャンペーンガールとして売り出していく。京子は新しいアイドルとして人気が爆発、ジャーナリズムが騒ぎ合田の思惑は的中する。ところが合田の部下の西は京子と愛しあうようになる。
開高健の同名小説の映画化。タイトルの「巨人」とはマスコミと消費社会のこと。その中でおもちゃのように弄ばれる人間達を、ハイテンポのリズムと原色を生かした鮮やかな画面構成で描き出した増村保造監督初期の代表作。新しい日本映画の誕生と注目を集めたが、興行的には振るわなかった。当時「オレは10年早すぎた」が監督の口癖だったという。

からっ風野郎

監督:増村保造 出演:三島由紀夫 若尾文子




5月2日(木・休)11:00
5月11日(土)14:00
5月24日(金)11:00


1960年/35ミリ/カラー/96分/大映

©KADOKAWA1960

留置所に入れられた朝比奈一家の二代目・武夫は、新興やくざの相良に命を狙われる。刑期を終えて出所した武夫は映画館でもぎりをする芳江と出会う。相良組は殺し屋のゼンソクの政を雇い武夫を消そうとする。世界的作家として名声を得ていた三島由紀夫主演のやくざ映画。三島由紀夫と増村保造は東大法学部の同期生だった。増村監督は世界的な作家を俳優として徹底的にしごいたといわれる。

妻は告白する 

監督:増村保造  出演:若尾文子 川口浩    




5月3日(金・祝)14:00
5月15日(水)11:00
5月19日(日)14:00


1961年/35ミリ/モノクロ/91分/大映

©KADOKAWA1961

北穂高の岩壁から大学助教授の滝川が足を滑らせて死亡する。一緒に登っていたのは妻の彩子と彩子の愛人の幸田だった。夫に多額の保険金が掛けられていたことから検察は彩子と幸田による殺人を疑うのだった。原作は円山雅也の「遭難・ある夫婦の場合」。映画の半分は法廷劇だが、本作は若尾文子演じる彩子の情念こそが見どころである。若尾文子は本作をきっかけにアイドル女優から日本映画を代表する大女優へと成長していく。増村監督を代表する傑作である。


黒の試走車

監督:増村保造 出演:田宮二郎 叶順子    




5月3日(金・祝)11:00
5月15日(水)14:00
5月23日(木)11:00


1962年/35ミリ/モノクロ/94分/大映

©KADOKAWA1962

タイガー自動車は新しい車「パイオニア」の開発をしていた。タイガー企画部長の小野田は、ライバルのヤマト自動車がパイオニアの対抗車を開発していることを知り、情報を探ろうとする。梶山季之のベストセラー小説の映画化。産業スパイたちの熾烈な戦いを描いた本作は、産業スパイ映画の先駆であり、この後「黒」シリーズとして計11本が製作される。大映を代表する俳優の一人・田宮二郎は本作でスターの座を不動のものにする。


卍(まんじ) 

監督:増村保造 出演:若尾文子 岸田今日子     




5月4日(土・祝)11:00
5月16日(木)14:00
5月24日(金)14:00

1964年/35ミリ/カラー/90分/大映

©KADOKAWA1964

弁護士の妻・柿内園子は美術学校で出会った令嬢・徳光光子に恋心を抱く。仲良くなった二人に周囲は同性愛の疑いの眼差しを向ける。ところが逆に二人は本当の恋愛関係となってしまう。谷崎潤一郎の原作小説の映画化。当時日本映画ではタブーとされていた同性愛を描いた作品。監督はこれを否定するのではなく、美しく妖艶な増村監督独特の美学で描き出す。増村監督はその後「刺青」「痴人の愛」と3本の谷崎文学を映画化しており、いずれも代表作となった。


兵隊やくざ 

監督:増村保造 出演:勝新太郎 田村高廣     




5月4日(土・祝)14:00
5月12日(日)11:00
5月22日(水)14:00


1965年/35ミリ/モノクロ/102分/大映

©KADOKAWA1965

昭和18年。ソ連国境に近い関東軍にやくざの用心棒をしていた大宮が入隊してくる。暴れん坊で手がつれられない大宮の指導係を任命されたのはインテリ上等兵の有田だった。しかし有田は、規律に縛られない大宮に奇妙な友情を感じるのだった。友情で結ばれた二人が軍隊に反逆する異色の戦争映画であり娯楽アクション映画ともいえる。主演の勝新太郎の豪快な魅力溢れる本作は大ヒットし、シリーズとなり計9本が製作された。

清作の妻 

監督:増村保造 出演:若尾文子 田村高廣     




5月5日(日・祝)11:00
5月16日(木)11:00
5月25日(土)14:00


1965年/35ミリ/モノクロ/93分/大映

©KADOKAWA1965

日露戦争前。ある老人の愛人であったお兼は、老人の死後大金をもらって縁を切り、故郷の村に帰る。軍隊を除隊した清作は村に帰り、模範的な青年として働いていたが、清作は村の嫌われ者のお兼を差別しなかった。そして二人は惹かれあっていく。愛する夫を戦争に行かせまいとする女の情念の凄まじさと美しさを描いた増村監督らしい傑作。本作は単なる反戦映画ではなく、むしろ恋愛映画として見るべきもの。

刺青(いれずみ) 

監督:増村保造 出演:若尾文子 長谷川明男     




5月5日(日・祝)14:00
5月22日(水)11:00
5月26日(日)14:00


1966年/35ミリ/カラー/86分/大映

©KADOKAWA1966

質屋の娘・お艶は、手代の新助と駆け落ちする。二人を匿ったのは船宿の主人の権次だが、権次はお艶を売り飛ばそうと企んでいた。また刺青師の清吉はお艶の美しい肌に魅せられ、刺青を彫りたいと願っていた。谷崎潤一郎の同名の短編小説の映画化だが、脚本の新藤兼人が物語を大きく膨らませている。宮川一夫の流麗なカメラワーク、原色を使った増村監督の演出など、本作は増村監督の映像美学の最高傑作と評価されている。

陸軍中野学校

監督:増村保造 出演:市川雷蔵 小川真由美     




5月6日(月・休)11:00
5月23日(木)14:00
5月25日(土)11:00


1966年/35ミリ/モノクロ/95分/大映

©KADOKAWA1966

昭和13年。陸軍少尉・三好次郎は草薙中佐により呼び出される。草薙中佐は集まった軍人たちに、スパイを養成する陸軍中野学校を設立し、三好たちを1期生として訓練することを告げる。1年後、三好たちは卒業試験として英国外交電報の暗号解読のため暗号のコードブックを領事館から盗み出す。市川雷蔵主演の人気シリーズの第一作。この後4本が製作されている。市川雷蔵は眠狂四郎と同様にクールな役を演じており、見事にはまっている。

華岡青洲の妻 

監督:増村保造 出演:市川雷蔵 若尾文子     




5月9日(木)14:00
5月18日(土)14:00
5月26日(日)11:00


1967年/35ミリ/モノクロ/99分/大映

©KADOKAWA1967

江戸時代。和歌山県紀ノ川沿いの村で、華岡家は代々医者を営んでいた。庄屋の娘・加恵は華岡家の息子・青洲の嫁になる。優秀な医者である青洲は手術を行うための麻酔薬の開発を考えていた。動物実験に成功した青洲は、次に人体実験を行おうとする。有吉佐和子のベストセラー小説の映画化。高峰秀子、市川雷蔵、若尾文子の3人の共演が見事な作品。映画化に難色を示す会社に対して増村監督は「命がけでやります」と迫ったという。


曽根崎心中 

監督:増村保造 出演:梶芽衣子 宇崎竜童     




5月6日(月・休)14:00
5月12日(日)14:00
5月17日(金)11:00

1978年/35ミリ/カラー/112分/ATG=木村プロ=行動社

©1978藤井慶太/東宝

醤油屋・平野屋の手代・徳兵衛は天満屋の遊女のお初と愛し合っていた。徳兵衛の主人・久右衛門は、自分の妻の姪・おはると徳兵衛を一緒にしようとする。一方お初には見受けの話が出ていた。近松門左衛門の浄瑠璃の映画化。音楽も担当する宇崎竜童はこれが初めての映画主演である。セリフなどに歌舞伎のスタイルが取り込まれている。増村監督の演出や撮影・美術など海外でも絶賛された作品。

上映スケジュール

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