特別企画

中国映画の展開

~三十年代から第五世代まで~






会期:2月3日(水)~3月7日(日)※休館日・休映日除く
観覧料:600円(大人)500円(大学生・高校生)400円(中学生・小学生)

主催:国立映画アーカイブ 中国電影資料館 福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ実行委員会
※定員制。各回入替制。
※チケットはすべて当日券。前売り券はありません。(チケットの販売は上映の1時間前からです。)
※障がい者の方及び福岡市在住の65歳以上の方は300円。(手帳や保険証などの提示が必要です。)
※「わたすクラブ」会員の方は300円。(会員証の提示が必要です。)
※上映作品には、元素材に由来する画質の不良や音声ノイズを部分的に含んでいるものがあります。とくに、『八千里の雲と月』では全篇にわたってノイズ音が、また『舞台の姉妹』では断続的な小さなノイズ音に加えて、複数個所で低音の比較的大きなノイズ音が数分続きます。予めご了承ください。


中国映画の展開
 市場開放と経済成長により、今や北米と肩を並べる世界有数の市場規模となった中国映画。しかし20世紀におけるその道のりは、戦争と革命に揺れ動き続けた中国社会の歩みと同様、決して平坦なものではありませんでした。中国映画の作り手たちは、日中戦争(1937-45)や国共内戦(1946-50)を始め、中華人民共和国の建国(1949)以降も、反右派闘争(1957-58)や文化大革命(1966-76)といった社会的な大変動に直面しながら、またその時々の製作上の制限と葛藤しながら、社会や個人に迫る矛盾や困難を観察・記録し、物語として昇華させ、映像を紡いできました。
 本企画は、中国電影資料館との共同により、三十年代から第五世代までの中国映画の名作や代表作を上映し、その歴史を回顧する試みです。


木蘭従軍 

監督:ト萬蒼  出演:陳雲裳 梅熹   




2月3日(水)14:00
2月6日(土)11:00
2月11日(木・祝)14:00


1939年/デジタル/モノクロ/94分/中国/日本語字幕付き

戦前の日本で公開された数少ない中国映画の一本。武芸百般に長けた美女の花木蘭(ファ・ムーラン)(陳)が、父や亡き兄の国を思う気持ちを察して男装の武者となり、武勲を上げて故郷に錦を飾るという物語。有名な唐代の伝説で、京劇の演目でもある。ディズニーが製作した『ムーラン』(2020、ニキ・カーロ)でも取り上げられた。

八千里の雲と月 

監督:史東山 王為一  出演:白楊 陶金




2月4日(木)11:00
2月6日(土)14:00
2月13日(土)11:00


1947年/デジタル/モノクロ/126分/中国/日本語字幕付き

江玲玉(白)は盧溝橋事件をきっかけに、抗日救国演劇に身を投じる。移動演劇隊の闘いと、玲玉の戦後の苦難を描くメロドラマ。戦争終結後も貧困や不平等、腐敗に対して、闘いを継続しなければならないことが強調されている。原題は詩「満江紅」からの引用で、果てしなく、昼夜を問わない行軍の意味。

三毛(サンマオ)の放浪記

監督:趙明 厳恭  出演:王龍基 関宏達 




2月4日(木)14:00
2月10日(水)14:00
2月14日(日)14:00


1949年/デジタル/モノクロ/73分/中国/日本語字幕付き

人気漫画を映画化した風刺喜劇。浮浪児の少年(王龍基)がスリ団や大富豪に拾われるが、大人の思惑に反発して騒動となる。戦乱による浮浪児の増加を反映するとともに、インフレや格差などの世相も描く。中盤では蒋介石の演説が街頭に皮肉に響き、ラストは共産党政権誕生の祝賀パレードで締め括られる。

上饒(シャンラオ)収容所 

監督:紗蒙 張客  出演:湯化達 江俊    




2月5日(金)11:00
2月7日(日)11:00
2月13日(土)14:00


1951年/デジタル/モノクロ/102分/中国/日本語字幕付き


1941年、国民党軍が共産党系の新四軍を襲撃した皖南事変により多数が戦死し、生存者たちは強制収容所に入れられた。過酷な状況下で信念を貫いた共産党員たちを描く。建国初期に数多く作られた革命戦争映画の一作で、実在の英雄的人物を称えるもの。脚本を書いた馮雪峯(フォン・シュエフォン)自身も、上饒収容所を体験した。

祝福

監督:桑弧  出演:白楊 魏鶴齢




2月5日(金)14:00
2月7日(日)14:00
2月12日(金)11:00

1956年/デジタル/カラー/98分/中国/日本語・中国語・英語字幕付き

魯迅の同名小説を映画化。辛亥革命前後を背景に、姑に売られて望まぬ再婚をした未亡人の祥林嫂(白)の悲運を描く。裕福な家から貧しい家まで緻密に再現したセットや、降りつづく雪など、美術の精巧さが目を引くカラー作品。ラストシーンには、原作にないナレーションが付け加わっており、製作者たちが置かれた政治的状況も垣間見える。

 

未完成喜劇

監督:呂班  出演:韓蘭根 殷秀岑

2月11日(木・祝)11:00
2月12日(金)14:00
2月14日(日)11:00

1957年/デジタル/モノクロ/83分/中国/日本語字幕付き

「中国のローレル&ハーディ」と称された人気コンビが本人役で主演し、風刺喜劇作りを描くバックステージもの。共産党の映画指導方針を戯画化した稀有な風刺喜劇となった。呂班(リュ・バン)は1930年代に上海で俳優として活躍し、戦後は東北に赴き監督となり「百花斉放百家争鳴」で奨励された喜劇作りの先駆となったが、本作完成後に反右派闘争で批判され、映画界追放の憂き目にあった。

追魚 

監督:応雲衛  出演:王文娟 徐玉蘭




2月17日(水)14:00
2月25日(木)11:00
2月27日(土)11:00

1959年/デジタル/カラー/93分/中国/日本語字幕付き

京劇と並ぶ中国二大演劇のひとつである越劇の戯曲の映画化で、すべての役を女性が演じている。池の畔に住む不幸な身の上の学生・張珍(徐)の純真さに心打たれた魚の精(王)は、彼の許嫁に変身して現れ、仲睦まじくなる。越劇の有名女優らが出演。喜劇的な展開の果てにたどり着く、終盤のスペクタクルな特撮シーンも見もの。

紅色娘子軍 

監督:謝晋  出演:祝希娟 王心剛  




2月19日(金)11:00
2月26日(金)14:00
2月28日(日)14:00


1961年/デジタル/カラー/116分/中国/日本語字幕付き

1930年代初頭に、中国最南端の海南島に実在した女子遊撃隊をモデルとした英雄物語。大ヒットして主題歌が広く愛唱されたほか、現代バレエに改編されて革命模範劇となり、バレエ版映画(1971)も作られた。国民党傘下の地主の屋敷で虐待されていた召使いの少女(祝)が紅軍将校(王心剛)に助け出され、娘子軍に入隊、指導を受け兵士として成長し、村を解放する。

雑居アパート大騒動 

監督:王為一  出演:文覚非 譚玉真 




2月18日(木)11:00
2月24日(水)14:00
2月27日(土)14:00


1963年/デジタル/モノクロ/84分/中国=香港/日本語・中国語・英語字幕付き

上海で作られた舞台喜劇を、中国=香港合作で映画化した群衆喜劇の傑作。舞台は1940年代の広州に移しかえられ、広東語の活力に満ちた掛け合いとアパートのセットを巧みに生かした演出が光る。1973年には香港で劭氏兄弟(ショウ・ブラザーズ)によるリメイクが大ヒットし、『カンフーハッスル』(2002、周星馳)でも参照されるなど、後年の香港映画に与えた影響も大きい。

舞台の姉妹 

監督:謝晋  出演:謝芳 曹銀娣   




2月18日(木)14:00
2月25日(木)14:00
2月28日(日)11:00


1965年/デジタル/カラー/113分/中国/日本語・英語字幕付き

1935年から1950年代にかけて2人の越劇女優を描くメロドラマ。浙江省で婚家から逃げた春花(謝)は劇団に身を寄せて月紅(曹)と義姉妹になり、一座の看板コンビとして旅回りの苦難を助け合う。だが、上海の劇場に移籍して、享楽的になる月紅と自立した演劇人をめざす春花はすれ違ってゆく。叙情的な前半から一転、後半は革命思想が色濃いが、文革直前にあたる当時の情勢を反映している。

標識のない河の流れ 

監督:呉天明  出演:李緯 陶玉玲    




2月19日(金)14:00
3月3日(水)14:00
3月6日(土)11:00


1983年/デジタル/カラー/89分/中国/日本語字幕付き

1984年に西安撮影所所長に就き、第五世代の張芸謀(チャン・イーモウ)、陳凱歌(チェン・カイコー)を育てた呉天明(ウー・ティエンミン)の初単独監督作品。文革期、いかだで河川を下り木材を運搬する盤五(李)ら3人の男たちを描く。文革で権力を得た人々の横暴への抵抗と、年長の盤五の悲恋が絡み合っていく。文革の混乱と静かな河上での生活の対比が印象的な一篇。

黄色い大地 

監督:陳凱歌  出演:薛白 王学圻     




2月20日(土)14:00
2月26日(金)11:00
3月4日(木)14:00


1984年/デジタル/カラー/89分/中国/日本語・中国語・英語字幕付き

陳凱歌の監督デビュー作で、ロカルノ国際映画祭で銀豹賞を受賞して中国映画再評価の契機となった映画。陝西省の貧村に住む少女・翠巧(薛)は、延安から派遣された兵士・顧青(王)と出会う。望まぬ結婚を迫る因習から逃れるため、延安に帰った彼への想いを胸に、翠巧は旅立つ。黄土色の山々と空の乾きを撮影したのは、後に『紅いコーリャン』(1987)で監督デビューを果たす張芸謀。

青春祭 

監督:張暖忻  出演:李鳳緒 馮遠征  




2月21日(日)11:00
3月4日(木)11:00
3月6日(土)14:00


1985年/デジタル/カラー/96分/中国/日本語・英語字幕付き

文革期、雲南省に下放された少女(李)が少数民族の暮らしに美しさを見出していく。女性監督の張暖忻(チャン・ヌアンシン)は1940年内蒙古生まれ、北京電影学院卒業後に上海で桑弧(サン・フー)や謝晋などの助手を経験し、第四世代の代表的監督の1人として活躍。『おはよう北京』(1990)、『雲南物語』(1994)などを発表し、1995年に逝去した。

狩り場の掟

監督:田壮壮  出演:敖特銀巴雅 拉西   




2月21日(日)14:00
3月5日(金)11:00
3月7日(日)11:00


1985年/デジタル/カラー/79分/中国/日本語字幕付き

内蒙古の大草原を背景に、狩猟の営みを題材とした田壮壮の単独監督デビュー作。現地の人々を起用してドキュメンタリー的手法を用いた。年に1度の「狩り祭」で何も捕れなかったザップ(敖特銀)は、他人の獲物を横取りした掟破りを咎められ罰を受ける。

双旗鎮刀客 

監督:何平  出演:高緯 趙瑪娜 




2月20日(土)11:00
2月23日(火・祝)11:00
3月3日(水)11:00


1990年/デジタル/カラー/92分/中国/日本語字幕付き

少年剣士・孩哥(高)は、亡き父が決めた許嫁を探しに、砂漠を渡って双旗鎮という村にやってきた。だが、その村は一刀仙(孫)率いるならず者兄弟たちに支配されていた。孩哥の目にもとまらぬ剣術や敵の残虐さを、ケレン味たっぷりの演出で見せる中国製西部劇の代表作。幼くして村の命運を背負わされた孩哥と許嫁・好妹(趙)の覚悟が心を打つ。

秋菊の物語 

監督:張藝謀  出演:鞏俐 雷恪生    




2月23日(火・祝)14:00
3月5日(金)14:00
3月7日(日)14:00


1992年/デジタル/カラー/100分/中国/日本語字幕付き

『菊豆』(1990)『紅夢』(1991)では過去を題材に映像美を打ち出した張藝謀が作風を一変させ、当時の社会をリアリズム・タッチで描く。施行されたばかりの行政訴訟法を取り上げている。農村に住む秋菊(鞏)は、夫の股間を蹴った村長に立腹し巡査に訴えるも謝罪を受けられず、郡・県・市の公安へ告訴して回る。ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞と主演女優賞を受賞。

上映スケジュール

ページの先頭へ