特別企画

蘇ったフィルムたち
 チネマ・リトロバート映画祭

イタリアのチネテカ・ディ・ボローニャ財団(以下FCB/Fondazione Cineteca di Bologna)が1986年に開始したチネマ・リトロバート映画祭より、イタリア映画を中心とした復元作品を上映

主催:総合図書館、映像ホール・シネラ実行委員会、国立映画アーカイブ、チネテカ・ディ・ボローニャ財団、イタリア文化会館


会 期:2月1日(木)~2月25日(日)※休館日・休映日除く
観覧料:大人=600円/大学生・高校生=500円/中学生・小学生=400円/障がい者の方とその介護者の方1人・福岡市在住の65歳以上の方・「わたすクラブ」会員=300円(要証明書・会員証原本提示)

◎特に表記ない場合デジタル(DCP)・日本語字幕付き上映
◎複数作品が上映されるプログラムは掲載順で上映します


旅する映画フィルム
 「蘇ったフィルムたち チネマ・リトロバート映画祭」の各プログラムは、どのような修復の経緯によって、こうしてスクリーンでお見せすることができるようになったかが記録されています。シネラ・ニュースでは紙面の都合で省かざるをえなかったのですが、シネラ内で配布する解説資料に記載しますので、興味のある方はぜひお手に取ってみてください。
 10年ちょっと前までは映画はモノ(かたちのあるフィルム)でした。フィルムは複製され、世界中を移動します。その過程で紛失してしまうこともあります。映画会社もなくなったり、制作に携わった製作者や監督も所在不明といったことも珍しくありません。一方で、長い年月が過ぎたあと、なくなっていたと思われていた映画が発見されることがあります。
 しかし見つかったからといってすぐに上映ができるというわけでもありません。発見されたフィルムが、いったい何の映画なのか(断片の場合はタイトルがわからないこともしばしば)、権利者は誰なのか…一個一個クリアにしないといけません。これらがすべて処理されてようやく、修復の作業に着手できます。
 「サイレント短篇集」の最初に上映する一編で、100年以上前にイタリアの路上で撮影された少女は、遠く離れた福岡で何世代も下の人たちに大きなスクリーンで見られることになるとは想像もしていなかったでしょう。こうして私たちは遠く離れた場所の、遠い昔の風景や人の営みを垣間見ることができています。時の流れから映画を適切に守り、未来にもアクセスできるようにするのがフィルムアーカイブの使命です。福岡市総合図書館フィルムアーカイヴも未来に残す役割を担った一組織として、各国のフィルムアーカイブと日々連携しています。



2月10日(土)11:00 23日(金祝)11:00 

サイレント短篇集/サタン狂騒曲(13作品・計82分)

10日(土)11:00 ※上映前解説あり
登壇:大傍正規氏(国立映画アーカイブ主任研究員)

FCBが近年、単独ないしは国外の映画保存機関と共同で復元したサイレント短篇集。





オランダの頭巾とその種類
Courtesy Cineteca di Bologna

スタッキー クランクの回転 Stucky: Giri di Manovella
1900年/イタリア/1分/無声/白黒
撮影:ジャンカルロ・スタッキー 監督名表記なし

花の妖精 La Fée aux Fleurs
1905年/フランス/2分/無声/ステンシルカラー
監督:ガストン・ヴェル

シチリアの荷馬車作り Fabrication des Charrettes Siciliennes
1912年/フランス/4分/無声/染色
監督名表記なし

ボローニャの史跡巡り Bologna Monumentale
1912年/イタリア/5分/無声/白黒
監督名表記なし

赤とピンクのカーネーションを持つ女性 Donna con Garofani Rossi e Rosa
1912年頃/イタリア/1分/無声/キネマカラー
撮影:ルカ・コメリオ

骸骨 Lo Scheletro
製作年不詳/イタリア/1分/無声/染色
監督名表記なし

アルメニア、文明の揺りかご アララト山周辺の悲劇
Armenia, the Cradle of Humanity under the Shadow of Mount Ararat
1919-23年/製作国不詳/3分/無声/白黒
監督名表記なし

トントリーニの悲しみ Tontolini è Triste
1911年/イタリア/7分/無声/白黒
出演:フェルディナン・ギョーム 監督名表記なし

オランダの頭巾とその種類 Coiffures et Types de Hollande
1910年/フランス/4分/無声/ステンシルカラー
監督名表記なし

テムズ河畔 オックスフォードからウィンザーまで Les Bords de la Tamise d’Oxford à Windsor
1914年/フランス/5分/無声/ステンシルカラー
監督名表記なし

バーテルス姉妹 Le Sorelle Bartels
1910年/イタリア/5分/無声/白黒
監督名表記なし

お花で、さようなら! Buona Sera, Fiori!
1909年/イタリア/1分/無声/白黒
監督:マリー・クレオ・タルラリーニ

サタン狂想曲
Rapsodia Satanica

1917年/イタリア/43分/無声(伴奏音楽付)/染色・調色・ステンシルカラー
監督:ニーノ・オシーリア





Courtesy Cineteca di Bologna

悪魔と契約を結んだ上流社会の老婦人が、束の間の若さを手に入れる代わりに恋愛を禁じられる。文学(ファウストの伝承)、絵画(象徴主義やラファエル前派)、建築(アール・ヌーヴォー)、音楽(ピエトロ・マスカーニによる映画伴奏用のオリジナル楽曲)などの諸芸術を総合したイタリア無声映画の傑作。ディーバ女優のリダ・ボレッリが悲劇のヒロインを演じた。

2月1日(木)11:00  11日(日・祝)11:00 

フィリバス Filibus

1915年/イタリア/71分/無声(伴奏音楽付)/染色
監督:マリオ・ロンコローニ 
出演:ヴァレリア・クレティ、ジョヴァンニ・スパーノ





From the collection of Eye Filmmuseum

飛行船で空から舞い降り、大胆な強盗を繰り広げる謎の空賊(クレティ)に対し、探偵はその正体を明らかにしようと奮闘する。異性装の主人公「フィリバス」の存在に、SFと探偵スリラーの要素を取り入れてスピーディーに展開する冒険映画。

2月9日(金)14:00 ※上映前解説あり 登壇:大傍正規氏(国立映画アーカイブ主任研究員)
2月17日(土)11:00
 

狂った一頁[染色版]

1926年/日本/79分/35mm(18fps)/無声/染色
監督・脚本:衣笠貞之助 
出演:井上正夫、中川芳江

画像提供:国立映画アーカイブ




衣笠貞之助が川端康成ら『文芸時代』の同人に協力を仰いで製作した無字幕のアヴァンギャルド映画。近年まで白黒版として復元されてきたが、国立映画アーカイブがチネマ・リトロバート映画祭2023に出品した染色版(2022年度作製)は、映画祭参加者による人気投票において470作品中、第4位を獲得した。


2月2日(金)11:00  18日(日)14:00 

ハーレムの殺人
Murder in Harlem

1935年/米国/96分/白黒
監督・原作・脚本:オスカー・ミショー 
出演:クラレンス・ウィリアムズ、クラレンス・ブルックス、ドロシー・ヴァン・エングル





白人女性を殺害したとして黒人夜警が逮捕された事件の真相究明を描く探偵映画。先駆的黒人監督オスカー・ミショーが、黒人が冤罪になった実話に着想を得た自作「The Gunsaulus Mystery」(1921)をリメイクした。黒人専用劇場向けの人種映画(レイスフィルム)の一篇。

2月4日(日)14:00  25日(日)11:00

無防備都市
Roma Città Aperta

1945年/イタリア/99分/白黒
監督・脚本:ロベルト・ロッセリーニ 
出演:アンナ・マニャーニ、アルド・ファブリーツィ、マルチェロ・パリエーロ





© Cineciita Luce, CSC – Cineteca Nazionale, Cineteca Di Bologna and Coproduction Office

第二次世界大戦末期、ナチス・ドイツ占領下のローマにおけるレジスタンス運動を描いた「ネオレアリズモ」の代表的作品。純粋なリアリズム映画として評価される一方、ハリウッド映画を想起させるメロドラマ的な物語構造や、悲劇的結末と不可分にある喜劇的場面など、異質な要素の絡み合う多義的な側面にも近年新たな眼差しが注がれている。

2月3日(土)14:00
2月7日(水)14:00
※上映前解説あり 登壇:具珉婀(ク・ミナ)氏(国立映画アーカイブ研究補佐員) 

カルプナー
Kalpana

1948年/インド/153分/白黒
監督・製作・原作・振付・出演:ウダイ・シャンカル 
出演:アムラー・ウダイ・シャンカル、ラクシュミー・カーンター、ビレーンドラ・バネルジー 

Courtesy Cineteca di Bologna



インド舞踊の歴史で中心的存在であるウダイ・シャンカルが4年の歳月をかけて完成させた自伝的作品。伝統芸術に新たな息吹を吹き込もうと奮闘する青年の物語を中心に、独立直後のインドのポストコロニアルな想像力が超現実的な映像表現のうちに解き放たれる。「カルプナー」とはヒンディ語で想像、空想を意味する。

2月3日(土)11:00 8日(木)14:00 

自転車泥棒
Ladri di Biciclette

1948年/イタリア/90分/白黒
監督・脚本:ヴィットリオ・デ・シーカ 
出演:ランベルト・マジョラーニ、エンツォ・スタイオーラ、リアネーラ・カレル





© Compass Film srl

「ネオレアリズモ」を代表する作品。ローマの広場や通りでロケ撮影を敢行するとともに、犯人探しをする父と子に素人の俳優を起用して、貧困にあえぐ戦後イタリア社会の現実を浮き彫りにした。2018年に作製された新修復版により、匿名の人々による日常生活の営みが一層深く印象づけられるようになった。

2月11日(日・祝)14:00   21日(水)14:00

時は止まりぬ
Il Tempo si è Fermato

1958年/イタリア/87分/白黒
監督・脚本:エルマンノ・オルミ 
出演:ナターレ・ロッシ、ロベルト・セベソ、パオロ・クアドラビ




雪深い山の上の閉ざされた小屋で、冬の間ダム建設現場の監視員として暮らす世代の異なる二人の男の心の触れ合いを描く。エディソン・ヴォルタ社時代に手がけた水力発電ダム建設の記録映画をオルミ自ら発展させた、初の長篇劇映画。登場人物を情感とともに丁寧に観察する眼差しはその後の監督作品にも通じる。

2月9日(金)11:00  12日(月休)14:00 

ヴィットリオ・デ・セータ作品集 
(10作品・計118分/すべて監督・撮影・編集:ヴィットリオ・デ・セータ)
工業化によって失われつつあるシチリアやサルディニアなど南イタリアの伝統や労働をラディカルな手法で捉えたヴィットリオ・デ・セータ(1923-2011)による1954年から59年までのドキュメンタリー10作品。大胆な構図やリズミカルな編集によって捉えられた村の労働が、現地で録音したダイナミックな音声とともに展開される。

メカジキの時機
Lu Tempu de li Pisci Spata

1954年/イタリア/11分/カラー





Courtesy Cineteca di Bologna

火の島々
Isole di Fuoco  1954年/イタリア/11分/カラー

硫黄の山
Surfarara  1955年/イタリア/11分/カラー

シチリアの復活祭
Pasqua in Sicilia  1955年/イタリア/10分/カラー

海上の農民
Contadini del Mare  1955年/イタリア/11分/カラー

黄金の放物線
Parabola D’oro  1955年/イタリア/10分/カラー

漁船の群れ
Pescherecci  1958年/イタリア/11分/カラー

オルゴゾーロの羊飼い
Pastori di Orgosolo  1958年/イタリア/11分/カラー

バルバージャの一日
Un Giorno in Barbagia  1958年/イタリア/11分/カラー

忘れ去られた人々
I Dimenticati  1959年/イタリア/21分/カラー


2月4日(日)11:00 22日(木)14:00 

猿女 La Donna Scimmia

1964年/イタリア=フランス/116分/白黒
監督・脚本:マルコ・フェレーリ 
出演:ウーゴ・トニャッツィ、アニー・ジラルド





© Surf Films

アントニオ(トニャッツィ)は全身が毛で覆われたマリア(ジラルド)と知り合い、彼女を見世物にする興行を始める。『最後の晩餐』(1973)などで知られる奇才マルコ・フェレーリが、19世紀に実在した多毛症のメキシコ女性から着想を得て描くラブストーリー。本特集で上映するDCPにはイタリア公開版の後、ディレクターズ・カット版、フランス公開版のエンディングが続く。


2月8日(木)11:00 ※上映前解説あり 登壇:具珉婀(ク・ミナ)氏(国立映画アーカイブ研究補佐員)
2月18日(日))11:00
 

チェチリア・マンジーニ作品集  (5作品・計73分)

ピエル・パオロ・パゾリーニの作家としてのデビュー作「生命ある若者」(1955)に触発されて製作した「都会の名もなき者たち」以降、イタリア映画界で最も開放的で勇気ある女性ドキュメンタリー作家となったチェチリア・マンジーニ(1927-2021)。プーリア地方に伝わる庶民の葬送儀礼における「泣き女」たちの身体技法と歌唱を記録した「ステンダリ 鐘はまだ鳴っている」、ローマ郊外の湿地帯マラーネの川辺で水遊びに興じる子供たちの姿を捉えた「マラーネの歌」、女性モデルを起用した企業広告が約束するウェル・ビーイングな世界とは対照的に、工場労働に従事する女性たちの抑圧された立場を告発した「女性として生きること」、イタリアの港湾都市ブリンディジの労働者階級の限界と夢を描き出した「トンマーゾ」を通して、ネオレアリズモに薫陶を受けたドキュメンタリー作家のキャリアを振り返る。

都会の名もなき者たち Ignoti alla Città
1958年/イタリア/11分/カラー  監督・脚本:チェチリア・マンジーニ

ステンダリ 鐘はまだ鳴っている Stendalì:Suonano ancora
1960年/イタリア/11分/カラー 監督・脚本:チェチリア・マンジーニ

マラーネの歌 La Canta delle Marane
1962年/イタリア/11分/カラー  監督:チェチリア・マンジーニ

女性として生きること 
Essere Donne

1965年/イタリア/29分/パートカラー
監督:チェチリア・マンジーニ





Courtesy Cineteca di Bologna

トンマーゾ Tommaso
1965年/イタリア/11分/白黒 監督:チェチリア・マンジーニ


2月16日(金)11:00  24日(土)11:00

サンティアゴへ行こう Iré a Santiago

1964年/キューバ/16分/白黒 監督・脚本・解説:サラ・ゴメス

ジャーナリストを経てキューバ国立映画芸術産業庁(ICAIC)に入り、アニエス・ヴァルダ『キューバのみなさん、こんにちは』(1963)の助監督を務めたのちキューバ初の女性映画監督となったサラ・ゴメスの初期作。キューバ南東部サンティアゴ・デ・クーバの人々の生活風景から、継承される文化と歴史的背景を浮かび上がらせる。


ある方法で De Cierta Manera

1974年/74分/白黒 
監督・脚本:サラ・ゴメス・イエラ 
出演:マリオ・バルマセダ、ヨランダ・クエジャール、マリオ・リモンタ




© ©ICAIC

キューバ革命をめぐり異なる思想を持つ男女の物語を通して、植民地支配からの脱却と人種、階級差別からの解放を訴える。サラ・ゴメス初の長篇でありドキュメンタリーとフィクションを混合させた野心作だが、ゴメスは編集中に急死し、その後、脚本にも協力したトマス・グティエレス・アレアとフリオ・ガルシア・エスピノーサによって完成された。

2月2日(金)14:00  12日(月休)11:00 

私は彼女をよく知っていた
Io la Conoscevo bene

1965年/イタリア=フランス=ドイツ/116分/白黒
監督・原作・脚本:アントニオ・ピエトランジェリ 
出演:ステファニア・サンドレッリ、ニーノ・マンフレディ、ウーゴ・トニャッツィ





戦後イタリアの奇跡的な経済成長ブーム下における刹那的で享楽的な日常を描いた「ブームのコメディ」(1958-1964)の典型とも言える傑作。ネオレアリズモの先駆的作品「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1943/ルキノ・ヴィスコンティ)などで脚本を手がけたピエトランジェリが、トスカーナの貧しい村からローマへ出てきて、ショービジネスの世界で破滅していく女性の姿を描く。

2月15日(木)14:00  25日(日)14:00 

マハゴニー(フィルム#18)
Mahagonny (FILM#18)

監督:ハリー・スミス 
出演:アレン・ギンズバーグ、ジョナス・メカス、パティ・スミス
※日本語字幕なし
1970-1980年/米国/148分/白黒




©Anthology Film Archives and Harry Smith Archives

多岐にわたる活動によってボブ・ディランなど、多くの芸術家に影響を与えてきたハリー・スミス(1923-1991)がマルセル・デュシャンの通称「大ガラス」を数学的に分析して制作した大作。2人の映写技師が4台の16mm映写機を駆使して、ブレヒトとクルト・ヴァイルによるオペラ「マハゴニー市の興亡」の音声と同期させながら、スクリーン上に4画面を同時投影するパフォーマンスが行われていた。


2月16日(金)14:00 23日(金祝)14:00 

ブッシュマン 
あるナイジェリア人青年の冒険
Bushman

1971年/米国/74分/白黒
監督・脚本:デイヴィッド・シッケル 
出演:ポール・エヤム・ジー・オクポカム、マイク・スライ、エレイン・ファザーストーン





Courtesy of Milestone Films and Kino Lorber

1968年、内戦の続くナイジェリアからサンフランシスコへやって来た青年ガブリエル(オクポカム)は、米国の黒人たちの生活を目の当たりにし、人種問題や政治の動向に翻弄されていく。独立後のナイジェリアを映し出したドキュメンタリー「Give Me a Riddle」(1965)のデイヴィッド・シッケルによる長篇第1作。シカゴ国際映画祭で最優秀長篇作品賞を受賞した。

2月15日(木)11:00  24日(土)14:00

サンビザンガ
Sambizanga

1973年/アンゴラ=フランス/98分/カラー
監督・脚本:サラ・マルドロー
出演:エリサ・アンドラーデ、ドミンゴス・デ・オリヴェイラ、ジーン・ムヴォンド





Courtesy Cineteca di Bologna

不可視になりがちな女性の視点から、アンゴラ解放闘争を描く劇映画。1961年、ポルトガル植民地政府への反逆の疑いで投獄された夫を見つけ出すため、マリア(アンドラーデ)は赤子を抱えて探し続ける。

2月1日(木)14:00 10(土)14:00 

異人と霧
Gharibeh Va Meh

1974年/イラン/146分/カラー
監督・脚本:バハラム・ベイザイ
出演:パルヴァネ・マスーミ、ホスロー・シュグズダ、マヌチェル・ファリド




Courtesy Cineteca di Bologna

記憶を失った状態で漂着した男は村の未亡人と恋に落ちるが、男を追うように上陸した黒装束の集団の襲撃によって村は混迷を極める。公開当時、難解と評された本作だが、5年後に起こるイラン革命を予兆するような映像と円環構造で綴る寓話的野心作。「イラン・ニュー・ウェーブ」を代表する監督の一人であるバハラム・ベイザイは、劇中の主要なイメージは自身が見た悪夢から着想を得たという。

2月17日(土)14:00  22日(木)11:00

私は時々ハワイを想う
Ich Denke oft an Hawaii

1978年/西ドイツ/85分/カラー
監督・脚本・撮影・衣裳・編集:エルフィ・ミケシュ、エルフィ・ティラック 
出演:カルメン・ロッソル、ルース・ロッソル、ティトー・ロッソル




© Stiftung Deutsche Kinemathek

プエルトリコ出身の米軍兵だった父親に思いを馳せつつ、シングルマザーの母と弟とベルリン郊外の団地で暮らす16歳カルメンの日常を描いたセミドキュメンタリー。1970年代初頭からヴェルナー・シュレーターやローザ・フォン・プラウンハイムなどの撮影監督を務めたエルフィ・ミケシュによる監督作。

青の隔たり Die Blaue Distanz

1983年/西ドイツ/24分/白黒
監督・脚本・撮影:エルフィ・ミケシュ 出演:ジルケ・グロスマン

夜行列車に乗る女性に画家ウニカ・チュルンによるテキストのモノローグが重ね合わされる幻想的な短篇。狭いコンパートメントの中を軽やかなフレーミングで捉えた官能的な映像と、車窓から入り込む夜の光を活かした照明のもとでミケシュのカメラワークが冴える



上映スケジュール

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