特別企画

DEFA70周年 知られざる東ドイツ映画

東ドイツの公式映画製作機関・DEFAの歴史を回顧する特集

DEFA(Deutsche Film Aktiengesellschaft)とは
1946年から1990年の東ドイツ終焉まで続いた東ドイツの公式な映画製作機関。ポツダム=バーベルスベルクの撮影所を継承し、当初はソヴィエトに統制されていたが、1949年の東ドイツ成立を経て、1953年に国営企業となった。7千本以上の劇映画、ドキュメンタリー、ニュース映画等を製作。1990年以後、撮影所は民間企業の所有となり、DEFAの映画資産はDEFA財団が管理。今回の上映は日本初の本格的なDEFA回顧上映である。


会 期:平成29年4月1日(土)~4月23日(日)※休館日・休映日除く
観覧料:600円
(大人) 500円(大学生・高校生) 400円(中学生・小学生)

主催:東京国立近代美術館フィルムセンター DEFA財団 ドイツ・キネマテーク  
   福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ実行委員会
協力:山根恵子(法政大学名誉教授)

※定員制。各回入替制。
※チケットはすべて当日券。前売り券はありません。
※障がい者及び福岡市在住の65歳以上の方は300円。(手帳や保険証などの提示が必要です。)

※「わの会」会員の方は300円。(会員証の提示が必要です。)


殺人者は我々の中にいる DIE MÖRDER SIND UNTER UNS

監督:ヴォルフガング・シュタウテ
出演:ヒルデガルト・クネフ ヴィルヘルム・ボルヒェルト     




4月2日(日)11:00 4月6日(木)14:00
1946年
デジタル
モノクロ 84分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung,Eberhard Klagemann

戦後初のドイツ映画でDEFA第1回作品。戦前からの監督W・シュタウテが、脚本への支援を占領国で唯一表明したソ連領で撮影。ネオレアリズモとの類似やナチス否定は同時期のDEFA映画の特徴となった。収容所から生還したスザンネ(クネフ)が戦争のトラウマを抱えた医師(ボルヒェルト)と出会う…。

冷たい心臓 DAS KALTE HERZ

監督:パウル・フェアヘーフェン
出演:ルッツ・モイク ハンナ・ルッカー    




4月1日(土)17:00 4月7日(金)14:00
1950年
デジタル
カラー 104分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung,Eric Kilian

DEFA初の童話映画で初のカラー作品(アグファ)。貧しい炭焼の若者(モイク)が、愛する娘(ルッカー)との結婚資金を欲しつつも、黒い森に住む精霊に祈って得た富を使い果たし、悪い精霊と取り引きをする。1951年カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭最優秀カラー映画賞を受賞し、興行的にも大成功をおさめた。

小さなムックの物語 DIE GESCHICHTE VOM KLEINEN MUCK

監督:ヴォルフガング・シュタウテ
出演:トーマス・シュミット ヨハネス・マウス     




4月8日(土)17:00 4月13日(木)14:00
1953年
デジタル
カラー 100分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung,Eduard Neufeld

ドイツで最も愛されている童話を映画化。童話映画は、DEFAを代表する映画ジャンルであり、東欧諸国を中心に世界中に輸出され、大きな人気を博した。小さなムック(マウス)の語る「千夜一夜物語」的なイスラム世界が、鮮やかなアグファカラーの色彩とウーファ時代の流れを継ぐ特殊効果によって、楽しく創造されている。

ベルリン シェーンハウザーの街角 BERLIN-ECKE SCHÖNHAUSER


監督:ゲアハルト・クライン
出演:エッケハルト・シャル 

   イルゼ・パージェ  



4月1日(土)11:00 4月7日(金)11:00
1957年
デジタル
モノクロ 83分
日本語字幕付き

ベルリンを舞台にロケーション撮影を駆使して若者の日常を描いた、G・クライン監督とW・コールハーゼのコンビ作の一本。親世代や権威に反抗心を抱く若者たちが、西側商品の闇取引やダンスに汗をかく日々を送るが、そのうち歯車がずれていく…。政府当局から睨まれながらも、若者の支持により大ヒットした。

金星ロケット発進す DER SCHWEIGENDE STERN


監督:クルト・メーツィヒ
出演:谷洋子 
   オルドリッチ・ルークス  



4月15日(土)17:00 4月19日(水)14:00
1960年
デジタル
カラー 94分
日本語字幕付き

ポーランドとの合作による大作で、DEFA初のSF映画。日本でも61年に公開された。原作はS・レムの最初のSF小説。西欧のSF映画と同様に原子力への恐怖が語られるが、世界各国の乗組員が一致団結して金星調査を敢行するさまは、共産圏ならではの理想に溢れている。谷洋子は『風は知らない』(1958、ラルフ・トーマス)等で国際的に活躍した。

裸で狼の群れのなかに NACKT UNTER WÖLFEN

監督:フランク・バイヤー
出演:エルヴィン・ゲショネック フレッド・デルマーレ     




4月2日(日)15:10 4月8日(土)11:00
1963年
デジタル
モノクロ 124分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung,Waltrant Pathenheimer

F・バイヤーの初期代表作で、原作はブーヘンヴァルト強制収容所の実話を基にした同名小説。初めて強制収容所の生活を描いたドイツの劇映画で、同収容所跡で撮影され、出演者の多数が捕虜経験者。鞄に隠されて収容所に入ってきたユダヤ人の子供をめぐる人間ドラマ。1963年モスクワ国際映画祭銀賞受賞。日本でも64年に公開された。

金のがちょう DIE GOLDENE GANS

監督:ジークフリート・ハルトマン
出演:カスパー・アイヒェル カーリン・ウゴフスキィ     




4月5日(水)11:00 4月9日(日)11:00
1964年
デジタル
カラー 68分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung,Roland Dressel

日本でもよく知られた、グリム童話の名作を映画化。二人の兄から愚か者扱いされているクラウス(アイヒェル)は、老女を助けたお礼に黄金のガチョウをもらうが、そのガチョウに欲得ずくで触れる者は皆、次々と手がくっつき、大行列ができ始める…。楽しい歌と芝居に満ちた喜劇。

引き裂かれた空 DER GETEILTE HIMMEL

監督:コンラート・ヴォルフ
出演:レナーテ・ブルーメ エーベルハルト・エッシェ    




4月1日(土)14:00 4月6日(木)11:00
1964年
デジタル
モノクロ 114分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung,Werner Bergman

クリスタ・ヴォルフの同名小説の映画化。ドイツ分断のテーマを扱い、東ドイツではプレミア上映後に上映禁止となった。ヌーヴェル・ヴァーグの影響も指摘され、ベルリンの壁が建設される前に出会った女子学生(ブルーメ)と化学者(エッシェ)の恋の行方が、ジャズ音楽と硬質な白黒映像で綴られる。

君が大人になったら、アダム WENN DU GROSS BIST, LIEBER ADAM

監督:エーゴン・ギュンター
出演:シュテファン・ヤーニケ ゲリー・ヴォルフ    




4月5日(水)14:00 4月9日(日)14:00
1965/1990年
デジタル
カラー 74分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung,Kurt Schuett

撮影中に製作中止され、反体制的とされた台詞の音声トラックが消されるなど部分的に破壊された作品。1990年に復元・公開され、欠落部分は説明文や台詞のテキスト挿入や再録音で補完。少年が白鳥からもらった不思議な懐中電灯でおこす一騒動を描く。劇中で読まれる本はプロティノスの『エネアデス』。

石の痕跡 SPUR DER STEINE

監督:フランク・バイヤー
出演:マンフレート・クルーク クリスティナ・スティプルコフスカ     




4月12日(水)14:00 4月16日(日)14:00
1966年
デジタル
モノクロ 139分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung,Klaus Schwarz

東ドイツで記録的ベストセラーとなった同名小説の映画化。プレミア上映後に検閲で上映禁止となり、23年間封印された。建築現場の親分肌の労働者(クルーク)と党の書記官(エッシェ)、女技師(スティプルコフスカ、声はユッタ・ホフマン)の三角関係が、滑稽味とリアルな生活描写との絶妙な語り口で展開。

チンガッハグーク―大蛇と呼ばれた男― 
CHINGACHGOOK, DIE GROSSE SCHLANGE

監督:リヒャルト・グロショップ
出演:ゴイコ・ミティッチ ロルフ・レーマー




4月12日(水)11:00 4月15日(土)14:00
1967年
デジタル
カラー 91分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung,Waltraut Pathenheimer

娯楽性と政治的寓意が融合したDEFAの西部劇の中でも、「DEFAインディアンの首長」と称される大スター、G・ミティッチ主演の「インディアン映画」の代表作。原作は「モヒカン族の最後」で知られるJ・F・クーパーの「鹿殺し」。R・グロショップ監督は戦前のアマチュア映画出身で『オリンピア』(1938、レーニ・リーフェンシュタール)の撮影も手がけた。

僕は19歳だった ICH WAR NEUNZEHN

監督:コンラート・ヴォルフ
出演:ジャッキィ・シュヴァルツ ヴァシリー・リヴァノフ     




4月13日(木)11:00 4月22日(土)14:00
1968年
デジタル
モノクロ 119分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung, Wener Bergman

DEFAのみならず、戦後ドイツ映画においても重要な作品の一つ。K・ヴォルフの実体験に基づく映画で、第二次大戦末期、赤軍がベルリンへと進攻する中、ドイツ生まれの19歳の赤軍兵士グレゴール(シュヴァルツ)が経験する出来事を通じて、ドイツおよびドイツ人が問い直されていく。赤軍によるドイツ人女性への強姦を示唆する描写など、タブーとされてきた主題にも挑んだ。

暑い夏 HEISSER SOMMER

監督:ヨアヒム・ハスラー
出演:クリス・デルク フランク・シェーベル     




4月8日(土)14:00 4月14日(金)11:00
1968年
デジタル
カラー 95分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung, Herbert Kroiss

『冷たい心臓』を初めとするカラー映画の撮影部だったJ・ハスラー監督が、60年代半ばから手がけたエンターテインメント映画の代表作。東ドイツ版『グリース』と称され主役のC・デルクが快活に歌う、ドイツでカルト的人気のミュージカル。12人の少女と11人の少年がバルト海で夏休みを満喫。

パウルとパウラの伝説 DIE LEGENDE VON PAUL UND PAULA

監督:ハイナー・カーロウ
出演:アンゲリカ・ドムレーゼ ヴィンフリート・グラットツェーダー     




4月14日(金)14:00 4月23日(日)14:00
1973年
デジタル
カラー 106分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung, Herbert Kroiss, Manfred Damm


ドキュメンタリー出身のH・カーロウが、ホーネッカー政権樹立後の自由化政策を背景に、子持ちの男女の激しい恋をポップに描いたDEFA史上に残るヒット作。主演男女優の西ドイツへの亡命後、上映禁止となった。東ドイツのロックバンド、プディーズは、本作を機に人気を博し、後に東ドイツ国家賞を受賞。

嘘つきヤコブ JAKOB DER LÜGNER

監督:フランク・バイヤー
出演:ヴラスチミル・ブロツキー エルヴィン・ゲショネック    




4月15日(土)11:00 4月20日(木)14:00
1974年
デジタル
カラー 100分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung, Herbert Kroiss

『石の痕跡』後、舞台やテレビで活動していたF・バイヤーの劇場映画復帰作。ゲットーで暮らすヤコブ(ブロツキー)は、警察で聞いたラジオ放送を仲間に漏らし、嘘を重ねる状況に…。アカデミー外国語映画賞にノミネートされた唯一のDEFA作品で、日本でも83年に公開された。原作は1999年にもハリウッドでロビン・ウィリアムズ主演で再映画化された。

ソロシンガー SOLO SUNNY

監督:コンラート・ヴォルフ ヴォルフガング・コールハーゼ
出演:レナーテ・クレスナー アレクサンダー・ラング     




4月16日(日)11:00 4月21日(金)11:00
1980年
デジタル
カラー 104分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung, Dieter Lück

東ドイツで最も尊敬される監督K・ヴォルフの最後の劇映画。1980年ベルリン国際映画祭最優秀女優賞など数々の国際的評価を得、日本でも83年に公開。実話をもとに脚本を書いたW・コールハーゼが共同監督。ドサ回りの女性歌手(クレスナー)の孤独な生き様を、老朽化が放置された都市の情景と共に描く。

冬よ さようなら WINTER ADÉ


監督:ヘルケ・ミッセルヴィッツ



4月19日(水)11:00 4月22日(土)17:00
1988年
デジタル
モノクロ 117分
日本語字幕付き

「壁」崩壊直前の東ドイツに生きる、さまざまな境遇の女性たちをとらえたドキュメンタリー。女性監督H・ミッセルヴィッツの出世作で、キャメラの前で自分の人生を率直に語る彼女たちの言葉は苦労や後悔に満ち、社会主義の説く男女平等の理想に対する鋭い批判となっている。1988年ライプツィヒ国際ドキュメンタリー・アニメーション映画週間(DOKライプツィヒ)「銀の鳩」賞受賞。

カミング・アウト COMING OUT

監督:ハイナー・カーロウ
出演:マティアス・フライホーフ ダグマー・マンツェル     




4月20日(木)11:00 4月22日(土)11:00
1989年
35ミリ
カラー 112分
日本語字幕付き
©DEFA-Stiftung, Wolfgang Fritsche

DEFAが唯一同性愛を正面から描いた劇映画で、ベルリンの壁が崩壊した1989年11月9日に公開。同僚女性と恋仲の若い教員が、美少年と運命的な出会いをする…。男性同性愛者の集まる実際の場所も含め、ロケーション撮影を多用。美少年役のD・クマーは本作からカーロウの助監督を務め、現在は監督として活躍。

建築家たち DIE ARCHITEKTEN

監督:ペーター・カハーネ
出演:クルト・ナウマン リタ・フェルトマイヤー  




4月21日(金)14:00 4月23日(日)11:00
1990年
デジタル
カラー 107分
日本語字幕付き

©DEFA-Stiftung,Christa Koefer

青年建築家ダニエル(ナウマン)は、ベルリン新興地区の再開発という大役を任され、同世代の仲間たちとチームを組んで張り切るが、彼らのアイデアは旧態依然とした市の行政によって骨抜きにされてしまい、ダニエルの家庭にも危機が訪れる…。「壁」崩壊をはさんで製作された、ドイツの歴史的転換を象徴する作品。

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