特別企画

中村登監督特集

60年代松竹映画を代表する監督・中村登の特集

会 期:平成29年5月3日(水・祝)~5月27日(土)※休館日・休映日除く
観覧料:600円
(大人) 500円(大学生・高校生) 400円(中学生・小学生)
※定員制。各回入替制。
※チケットはすべて当日券。前売り券はありません。
※障がい者の方及び福岡市在住の65歳以上の方は300円。(手帳や保険証などの提示が必要です。)

※「わの会」会員の方は300円。(会員証の提示が必要です。)


中村登監督
1913年東京生まれ。東京大学文学部卒業後松竹に入社。斎藤寅次郎、島津保次郎、吉村公三郎監督らに師事する。41年監督に昇進。記録映画の「生活とリズム」(41年)が初監督作品。劇映画は同年に発表した「結婚の理想」。手堅い演出で好評を得ていたが、戦後「我が家は楽し」で注目され、松竹のカラー作品第二作「夏子の冒険」(53年)の監督に抜擢される。その後ホームドラマ、コメディと様々な作品を担当。特に女性映画の監督として高く評価され「古都」「紀ノ川」等の代表作がある。1981年死去。79年紫綬褒章受章。
中村監督は松竹大船撮影所の伝統を継承するホームドラマの巨匠であり、特に女性を主人公とするメロドラマや文芸作品を得意とした。しかし「土砂降り」や「夜の片鱗」は単なるメロドラマと言えない作品であり、中村監督の個性が発揮されている。60年代を代表する日本映画の巨匠であった。


我が家は楽し 

監督:中村登 
出演:笠智衆 山田五十鈴     




5月3日(水・祝)11:00  5月7日(日)11:00
5月13日(土)11:00

1951年/16ミリ/モノクロ/91分/松竹

©1951松竹株式会社

植村孝作は妻と4人の娘がおり、貧しいながらも明るい家庭だった。孝作は勤続25年で特別賞与をもらうことになるが、表彰式の帰り、お金をすられてしまう。また長女・朋子の恋人が亡くなり、住んでいる借家から出るように大家に言われてしまう。松竹大船の伝統を受け継いだ小市民映画の秀作。山田五十鈴、高峰秀子といった豪華な女優陣だが、特に岸恵子は本作がデビューである。中村監督は本作で一躍注目されることになる。

土砂降り

監督:中村登 
出演:沢村貞子 岡田茉莉子     




5月4日(木・祝)11:00  5月11日(木)14:00
5月13日(土)14:00

1957年/35ミリ/モノクロ/105分/松竹
東京国立近代美術館フィルムセンター収蔵作品

©1957松竹株式会社

旅館の女将・たねには3人の子供がいた。たねは週に一度訪れてくる和吉の愛人だった。長女の松子は役所の同僚の一夫と結婚しようとするが、松子が妾の子であることがばれて破談となる。松子は家出してキャバレーのダンサーとなるが、そこに職場で汚職をして身を隠す一夫がやって来る。北条秀司の戯曲を映画化した作品。不幸な生い立ちにより結ばれぬ男女の情念を中村監督は軽快なテンポで映画化している。

集金旅行

監督:中村登 
出演:佐田啓二 岡田茉莉子     




5月3日(水・祝)14:00  5月7日(日)14:00
5月12日(金)11:00

1957年/35ミリ/カラー/102分/松竹 

©1957松竹株式会社

ギャンブル好きの山本は、女房に逃げられたショックで急死してしまう。山本が持っているアパートは抵当に入っており、そこに住む住人達は未払いの家賃を集金することにする。集金人にされた旗良平と、昔の男から慰謝料を取りたい小松千代は一緒に岩国、山口、尾道、徳島と西日本各地を借金取りの旅に出かける。最初は千代の事を嫌がっていた良平だが、次第に二人は夫婦のようになっていく。  井伏鱒二の同名小説を映画化したコメディ映画。岩国の錦帯橋や徳島の阿波踊り等全国の風物が画面一杯にひろがり、この後「旅行もの」映画が数多く作られることになる。アメリカ映画のスクリューボール・コメディのような脚本も秀逸。良平の「教養が邪魔してね」というセリフは流行語となった。

危険旅行

監督:中村登 
出演:高橋貞二 有馬稲子     




5月4日(木・祝)14:00   5月10日(水)11:00
5月12日(金)14:00

1959年/35ミリ/カラー/99分/松竹 

©1959松竹株式会社

マスコミの女王と呼ばれる松平千賀子は、あまりの多忙さに東京を逃げ出してしまう。千賀子は名古屋付近でカメラマンの旗良平と出会う。泥棒のため一文無しになった二人は苦労しながら大阪に向け旅を続ける。「集金旅行」の姉妹編として作られたコメディ映画。この年デビューした十朱幸代が初々しい魅力を見せる。また福岡市内や糟屋郡の炭鉱などでも撮影されている。

いろはにほへと

監督:中村登 
出演:佐田啓二 伊藤雄之助     




5月5日(金・祝)11:00  5月10日(水)14:00
5月14日(日)14:00
 
1960年/35ミリ/モノクロ/109分/松竹

©1960松竹株式会社

警視庁の松本刑事は高額配当で客を集める投資経済会に目をつけていた。投資経済会理事長の天野は政界・財界に金をばらまき投資銀行法の成立を画策する。しかし突然の株の暴落で大損害を被る。松本の存在が邪魔になってきた天野は、松本を買収しようとする。53年に起きた「保全経済界事件」をモデルとした作品。理事長が政界や財界に接近するエピソードは実話といわれる。興行的にも成功した中村監督の傑作。

古都

監督:中村登
出演:岩下志麻 長門裕之    




5月19日(金)11:00   5月25日(木)11:00
5月27日(土)14:00

1963年/35ミリ/カラー/106分/松竹

©1963松竹株式会社

京都呉服問屋の娘・千重子は、ある日北山杉を見に行き自分そっくりの村の娘を目撃する。祇園祭の日、千重子はその娘・苗子と再会、苗子は赤ん坊の頃別れた双子の姉妹を探していた。二人は互いに姉妹であることを確信する。川端康成の同名小説の映画化。主演の岩下志麻が千重子と苗子を見事に演じ分ける。京都の祇園祭、時代祭などが描かれているのも見所。アカデミー外国語映画賞にノミネートされた中村登監督の代表作。

夜の片鱗

監督:中村登 
出演:桑野みゆき 平幹二朗     




5月5日(金・祝)14:00  5月11日(木)11:00
5月20日(土)14:00

1964年/35ミリ/カラー/106分/松竹
©1964松竹株式会社

野上芳江は19歳。工場で働きながらバーのホステスをしていた。ある日北見英次が店にやって来る。そして芳江と関係を持つ。情事に溺れる芳江は同棲を始めるのだが、英次の態度は豹変、芳江に金の無心をするようになる。英次は実はヤクザだったのだ。撮影の成島東一郎は鮮やかな色彩設計と凝ったカメラアングルで美しい映像美を見せる。2013年ヴェネチア映画祭クラシック部門で上映され、中村監督の再評価を決定づけた作品。

二十一歳の父

監督:中村登 
出演:山本圭 倍賞千恵子     




5月6日(土)11:00  5月20日(土)11:00
5月24日(水)14:00

1964年/35ミリ/カラー/96分/松竹

©1964松竹株式会社

大学生・酒匂基次は、盲目のマッサージ師・好子と親に黙って結婚する。基次は母親がガンであることから一時家に帰るが、好子が妊娠・出産する。母親が亡くなった後再び家を出る基次だが、好子が交通事故に逢い死亡してしまう。曽野綾子の小説を監督自身が脚本化した作品。基次を中心とした家族の悲劇を静かなタッチで描き高い評価を得ている。中村監督の代表作の一本。

暖春

監督:中村登 
出演:森光子 岩下志麻     




5月14日(日)11:00  5月19日(金)14:00
5月26日(金)11:00

1965年/35ミリ/カラー/93分/松竹

©1965松竹株式会社

京都の小料理屋「小笹」の店主佐々木せいには24歳の娘・千鶴がいた。せいは千鶴の結婚を望むが、千鶴は乗り気にならない。千鶴は、せいの知り合いの大学教授と一緒に東京に遊びに出て、長谷川という男性と知り合い好意を持つ。小説家・里見弴と小津安二郎による原作の映画化。中村監督による脚色が加えられているが、小津作品のムードが漂っている。

紀ノ川

監督:中村登 
出演:司葉子 岩下志麻     




5月6日(土)14:00  5月18日(木)14:00
5月25日(木)14:00

1966年/35ミリ/カラー/172分/松竹

©1966松竹株式会社

明治32年。紀本花は地主の真谷敬策に嫁ぐ。敬策は24歳だが村長だった。花は政一郎と文緒という二人の子供を産む。17歳となった文緒は大学に進学、古い真谷家の習慣に反発するのだった。有吉佐和子の同名小説の映画化。2部構成で第一部「花の巻」は花の結婚から出産まで。第二部「文緒の巻」では成長した文緒が物語の中心となる。明治から昭和にかけて時代と共に没落していく地主階級への挽歌であり、中村監督の代表作である。

惜春

監督:中村登 
出演:新珠三千代 加賀まりこ    




5月18日(木)11:00  5月21日(日)11:00
5月26日(金)14:00

1967年/35ミリ/カラー/96分/松竹

©1967松竹株式会社

「糸屋新堂」は8代続いた帯紐の老舗。8代目当主には3人の娘があり、遺言で店主に相応しい者と結婚した娘が店を相続することになる。糸屋で働く持井は長女の藤代に求婚する。しかし持井は芸者はつの策略で二女・喜久子と関係を持ってしまう。店の相続をめぐる3人の娘の葛藤を描いた作品で、穏やかなメロドラマである。「暖春」、「爽春」(68年)と合わせて「春3部作」と呼ばれている。

智恵子抄

監督:中村登 
出演:岩下志麻 丹波哲郎    




5月17日(水)14:00  5月21日(日)14:00
5月27日(土)11:00

1967年/35ミリ/カラー/125分/松竹

©1967松竹株式会社

高村光太郎は画学生の智恵子と見合いし、結婚する。油絵に没頭する智恵子だが、文展に出した絵は落選する。火事のため田舎に住む智恵子の父親が死亡、また実家が倒産したとの知らせが届く。苦しむ智恵子は自殺を図る。高村光太郎の詩集「智恵子抄」と佐藤春夫の「小説智恵子抄」を原作とした映画。「智恵子抄」の詩を効果的に使いながら二人の純愛を描く。アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。

上映スケジュール

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