企画上映
メキシコ映画の大回顧
1930年代から80年代までのヴァラエティに富んだメキシコ映画の世界!福岡会場では17プログラム(20作品)を一挙上映します。
◎すべてDCP・日本語字幕付き上映
会期:1月29日(水)~2月22日(土) ※休館・休映日除く
観覧料:
大人=600円/大学生・高校生=500円/中学生・小学生=400円/福岡市在住の65歳以上の方・「わたすクラブ」会員・障がい者の方および介護者の方1名=300円 (要証明書・会員証原本提示)
主催:
福岡市総合図書館映像ホール・シネラ実行委員会、国立映画アーカイブ、メキシコ国立自治大学(UNAM)フィルモテカ、メキシコ・シネテカ・ナシオナル、メキシコ映画機構(IMCINE)
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2/1土11:00 2/13木14:00
港の女 La mujer del puerto
1934/76分/白黒
監督:アルカディ・ボイトレール、ラファエル・セビーリャ
原案:ギイ・ド・モーパッサン
父の死と恋人の浮気によって絶望の淵に追いやられた田舎娘ロザリオ(パルマ)は、娼婦となり生き別れの兄を探すのだが…。メキシコ映画のトーキー時代における最初の「国民的映画」とも評される作品。
監督のアルカディ・ボイトレール(1895-1965)はエイゼンシュテインによる1930年の『メキシコ万歳』の撮影に参加して以来、ロシア出身でありながら、メキシコ映画産業の発展に尽力した。
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©FILMOTECA UNAM’S COLLECTION |
1/29水11:00 2/21金11:00
パンチョ・ビリャと進め
¡Vámonos con Pancho Villa!
1936/88分/白黒
監督・共同脚本:フェルナンド・デ・フエンテス
黄金期の巨匠、フェルナンド・デ・フエンテス(1894-1958)の「メキシコ革命3 部作」の最終作で、メキシコ革命で大統領の独裁に立ち向かった英雄パンチョ・ビリャを描いた一大叙事詩。
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©FILMOTECA UNAM’S COLLECTION |
2/6木11:00 ※上映前解説あり:中西香南子氏(国立映画アーカイブ特定研究員)
2/22土14:00
誰の女でもない La mujer de nadie
1937/82分/白黒 監督・脚本・出演:アデラ・セケリョ |
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ジャーナリストから俳優に転向したアデラ・セケリョ(1901-92)が製作、脚本、主演を兼ねた初監督作。継父から暴力を受けていたアナ・マリア(セケリョ)は家を脱出し、ボヘミアン的な共同生活を送る3人のアーティストに保護されるが、やがて彼らの関係は複
雑な恋物語へと発展する。
1/29水14:00
2/22土11:00
次の夜明けに
Distinto amanecer
1943/107分/白黒
監督・共同脚本:フリオ・ブラチョ
メキシコ映画黄金期の初期を飾るフィルム・ノワールで、生涯に40本以上の長篇を手がけたフリオ・ブラチョ(1909-78)の代表作。落ちぶれた作家(ガラン)と結婚生活を送る女(パルマ)が、黒眼鏡をかけた怪しい男に追われる労働組合員(アルメンダリス)との再会に胸を踊らせる。学生時代の元恋人を助けたい一心で、彼女はメキシコシティの裏社会に足を踏み入れるが…。
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2/9日11:00
2/19水14:00
マリア・カンデラリア María Candelaria
1944/98分/白黒
監督・原作・共同脚本:エミリオ・フェルナンデス
貧しいインディオの娘、マリア・カンデラリア(デル・リオ)が辿った悲劇の運命を、彼女の美しさに魅了された画家(ガラン)が回想する。メキシコ映画黄金期を代表する監督のエミリオ・フェルナンデス(1904-86)は、ハリウッドでサム・ペキンパー監督作品を筆頭に存在感を発揮したメキシコ人俳優としても名高い。
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©FILMOTECA UNAM'S COLLECTION |
1/30木14:00 2/16日11:00
忘れられた人々
Los olvidados
1950/84分/白黒
監督・共同脚本:ルイス・ブニュエル
ルイス・ブニュエル(1900-83)がメキシコで撮った3本目の作品。不良少年たちを中心とする貧困層の人々の生きざまを描いて異才の復活を印象づけ、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した。本特集では1996年にUNAMフィルモテカで発見された約3分のエンディング・フッテージを併せて上映。
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©FILMOTECA UNAM'S COLLECTION |
2/5水11:00 2/15土11:00
愛しき人よ!
¡Ay amor... cómo me has puesto!
1951/87分/白黒
監督・共同脚本:ヒルベルト・マルティネス・ソラレス
粗野なパン配達人(ティンタン)は事故をきっかけに大富豪の娘と恋に落ちるが、固陋(ころう)な娘の家族は彼を快く思わない。メキシコ映画において、カンティンフランスと並んで重要な喜劇俳優のティンタンは、1930-40年代のメキシコ系アメリカ人によるカウンターカルチャー「パチューコ」を体現する存在として現れる。
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©FILMOTECA UNAM'S COLLECTION |
2/7金11:00
2/16日14:00
制服の処女
Muchachas de uniforme
1951/102分/白黒
監督:アルフレド・クレベンナ
ドイツ映画『制服の処女』(1931、レオンティーネ・ザーガン)およびその原作の翻案。16歳で修道女学校に入れられたマヌエラ(ディリアン)。戒律に則った修養に息苦しい日々を送るが、若き教師ルシラ(ロペス)は彼女に読書の愉しみを教え、人生の指針を与えていく。 |
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©️FILMOTECA UNAM'S COLLECTION |
2/6木14:00
2/11火祝11:00
街娼
Trotacalles
1951/98分/白黒
監督・共同脚本:マティルデ・ランデタ
売春婦とブルジョワ家庭の妻という対極的な立場に身を置く姉妹の姿を通して、階級対立や男性社会による女性搾取の問題を描き出したマティルデ・ランデタの代表作。ランデタは「受動的な女性の歴史ではなく、人生において何事かを成し遂げた女性の歴史を作りたかった」と語っている。
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©️FILMOTECA UNAM'S COLLECTION |
1/30木11:00
2/15土14:00
官能
Sensualidad
1951/96分/白黒
監督・共同脚本:アルベルト・ゴウト
ダンサーのアウロラは出所後に自分を裁いた判事と偶然出会い、復讐のために近づくが…。メキシコ映画黄金期の人気ジャンルである「ルンベーラ映画」の巨匠アルベルト・ゴウト(1913-66)の作品。ルンベーラ映画はハリウッドのフィルム・ノワールに社会批評的観点を付加したようなジャンル的特徴を有する。
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©️FILMOTECA UNAM'S COLLECTION |
2/9日14:00
2/14金11:00
マカリオ
Macario
1959/91分/白黒
監督・共同脚本:ロベルト・ガバルドン
ロベルト・ガバルドン監督の異色作。メキシコ植民地時代、一家が飢餓の危機に瀕し、絶食を宣言した家長のマカリオ。心配した妻は七面鳥を盗んできてマカリオに渡すが、その後、マカリオの前に3人の使者(紳士を装った悪魔、老いた神、農民を装った死神)が現れて彼を次々に誘惑する。
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©️FILMOTECA UNAM'S COLLECTION |
2/7金14:00 ※上映前解説あり:佐野亨氏(国立映画アーカイブ特定研究員)
2/15土17:00
死後の世界の謎
Misterios de ultratumba
1959/82分/白黒
監督:フェルナンド・メンデス
1940年代からミュージカルやアクションなど娯楽映画を量産し、『獣人ゴリラ男』(1956)のヒット以降は恐怖映画を数多く手がけたフェルナンド・メンデス(1908-66)の監督作。死後の世界を探求する医師が亡くなった友人に冥界を見る機会を与えられるが、それには予期せぬ代償が伴うのだった。
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©Alameda Films
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2/2日14:00
2/20木11:00
エル・サント対吸血鬼女
Santo VS. las mujeres vampiro
1962/90分/白黒
監督アルフォンソ・コロナ・ブレイク
1950年代以降、メキシコ映画の一大ジャンルとなった「ルチャ・リブレ(プロレス)」ものの一本で、国民的ヒーローであるレスラー、エル・サントの映画界での人気をも決定づけたヒット作。200年の眠りから目覚めた吸血美女軍団に狙われる女性を救うべくサントが大奮戦を繰り広げる。
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©️Claro video |
2/8土11:00※上映前解説あり: 佐野亨氏(国立映画アーカイブ特定研究員)
2/20木14:00
ロス・カイファネス
Los caifanes
1966/102分/カラー
監督・脚本:フアン・イバニェス
上流階級のカップルが偶然知り合った4人の無軌道な男たち〈ロス・カイファネス〉とともにめくるめく夜のメキシコシティに繰り出していく。フアン・イバニェス(1938-2000)の長篇第1作で、1960年代を代表するメキシコ映画のひとつ。
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2/5水14:00 ※上映前解説あり: 中西香南子氏(国立映画アーカイブ特定研究員)
2/11火祝14:00
女性映画コレクティブ〈Colectivo Cine Mujer〉 作品集(計155分)
1975年にメキシコ国立自治大学映画研究センター(CUEC)で学ぶフェミニストや映像作家たちを中心に始まった女性映画コレクティブ(Colectivo Cine Mujer)の作品集。コレクティブによる第1作である『女のこと』では、当時違法とされていた中絶について当事者がつまびらかに語る様子が記録されている。続く『沈黙を破る』ではレイプ被害を題材にし、『台所の悪』では女性の家事労働について、また『快楽のためではない』ではセックスワーカーへ取材するなど、当時公の場で語ることが難しかった題材を次々と取り上げ議論を呼んだ。
女のこと
Cosas de mujeres
1975/42分/白黒
監督・脚本:ロサ・マルタ・フェルナンデス
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©FILMOTECA UNAM'S COLLECTION |
パレスチナの窮状を全世界に示し、生涯にわたりパレスチナ問題に向き合い続けたエドワード・サイード。生誕の地エルサレムではないレバノンのブルンマーナに、サイードの墓はつくられた。彼の不在をみつめ、イスラエル・アラブ双方の知識人たちの証言を道標に、サイードが求め続けた和解と共生の地平を探る渾身のロードムービー。
台所の悪 Vicios en la cocina
1978/24分/白黒
監督・脚本:ベアトリス・ミラ
沈黙を破る Rompiendo el silencio
1979/38分/白黒
監督:ロサ・マルタ・フェルナンデス
快楽のためではない No es por gusto
1981/51分/白黒
監督・脚本:マリア・デル・カルメン・デ・ララ、マリア・ユウヘニア・タメス
脚本:フアン・ロペス、ラウラ・ロセッティ、アルホンソ・モラレス
2/2日11:00
2/14金14:00
アルカルダ 鮮血の女修道院
Alucarda
1977/78分/カラー
監督・共同原案・共同脚本:フアン・ロペス・モクテスマ
悪魔に憑かれた娘が修道院を破滅に導いていく。フアン・ロペス・モクテスマ(1929-95)は、アレハンドロ・ホドロフスキー『エル・トポ』(1970)などの共同プロデューサーを務めたのち、前衛的な怪奇映画を監督した。なかでも物議を醸したこの作品は、ギレルモ・デル・トロがお気に入りの一作に挙げるなどカルト的なファンを持つ。
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2/8土14:00
2/21金14:00
黄金の鶏
El imperio de la fortuna
1986/131分/カラー
監督:アルトゥーロ・リプステイン
ガルシア=マルケスと並ぶラテンアメリカ文学の巨星フアン・ルルフォの原案による、名匠リプステインの「宿命3 部作」の第1 作。極貧の生活を送る主人公が、傷ついて食用にと貰った闘鶏を世話し、最強の闘鶏に育てたことから始まっていく栄光と執着、転落の人生を描く。
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