企画上映

ファンタスティック・フィリピン!

TBAスタジオの軌跡

7000超の島々、100以上の民族、多様でパワフルなフィリピン映画を新進気鋭の映画スタジオ・TBAスタジオ作品から知る。

10/4(土)、10/5(日)、10/8(水)~10/13(月祝)、
10/16(木)~10/19(日)、 10/22(水)、10/23(木)


助成:

 

 

国際交流基金マニラ日本文化センター


観覧料: 
大人=600円/大学生・高校生=500円/中学生・小学生=400円
福岡市在住の65歳以上の方・わたすクラブ会員/障がい者の方および介護者の方1名=300円(要証明書・会員証原本提示)


トークイベント

10/5(日)14:00 「ルナ将軍」上映後  16:00-17:30予定 (入場無料)

登壇者(予定・敬称略):登壇者は予告なく変更になる場合があります。
ジェロルド・ターログ
(映画監督)
ダフネ・O・チウ・スーン
(プロデューサー)
ヴィッキー・D・ベラルミノ
(フィリピン文化センター文化芸術担当官)

ジェロルド・ターログ 
Jerrold Tarog

映画監督

1977年生まれ。キャリアの初期は音楽家として活躍し、その後、監督として多彩な作品を発表。「ルナ将軍」 (2015)、「Goyo:若き将軍」(2018)に続く、“Bayaniverse”三部作の最新作となる、フィリピンの大統領を務めたマヌエル・L・ケソンの生涯を描いた伝記映画「Quezon」(2025)が完成、フィリピン本国では10月15日に公開される。




ダフネ・O・チウ・スーン  
Daphne O. Chiu-Soon/周怡慧

プロデューサー/TBAスタジオ 社長・最高執行責任者

プロデューサーとして「愛について書く」(2019)や大ヒット作となった「ルナ将軍」 (2015)、「Goyo:若き将軍」(2018)ほか、数々の作品を手がける。TBAスタジオにおいては、映画製作や配給、食品・飲料事業等、幅広い活動を展開している。




ヴィッキー・D・ベラルミノ 
Vicky D. Belarmino

フィリピン文化センター文化芸術担当官

同センターにおいて様々な映画事業の企画運営に携わり、フィリピン最大のインディペンデント映画祭であるシネマラヤ映画祭のコーディネーターを長年にわたり務めている。





 TBAスタジオはフィリピンの新進気鋭の映画制作会社です。2018年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭での「影の内側」上映・寄贈をきっかけに、2022年にさらに22作品もの寄贈を受け、総合図書館では永年保存しています。そのうちの9作品に日本語字幕を付けた上映素材を作成し、一挙上映します。
 2016年の東京国際映画祭「アジアの未来」部門作品賞受賞の「バードショット」、フィリピンで記録的なヒットとなった戦争の英雄を主人公にした重厚な歴史アクション(その「ルナ将軍」の続編の続編になる最新作「Quezon」がこの10月に本国公開)、連続猟奇殺人事件や紛争を描いたドラマなどなど…というと少し見るのに心構えをしなければと思うかもしれません。
 一方で、路上で遊ぶゲームをテーマにした「少林サッカー」を彷彿とさせるキッズ・アクション、少数民族の伝統的な暮らしを描くドラマ、ある女優が怪奇現象に出くわすサイコスリラーなど、TBAスタジオの手がけるジャンルの幅が、本当に広いことに驚かされます。コロナ禍の、リモートでの恋愛模様を描いた「こことよそ」は2021年に発表されていて、企画からリリースまでが本当に早い。香港に出稼ぎに出るたくさんのフィリピン人家政婦たちのドキュメンタリーでは、私たちの知らないアジアの国々の一面を垣間見ることができます。ひとつのスタジオに焦点をあててみると、映画からその国に暮らす人々の状況が立体的に浮かび上がってきて、大変興味深く感じています。
 今回上映する複数の作品は、実は、YouTubeのTBAスタジオの公式チャンネルでも全編を見ることができます(しかし日本語字幕はありません)。なかには数百万から一千万回以上再生されているものもあり、これにも驚きました。ショート動画ではなく、長編映画が、無料配信とはいえこれだけ見られている一方、日本では一部の映画祭や配信を除いてまだまだ紹介されていない。アジアには知られざる映画がある。ぜひ、まとめて上映する機会をつくりたい。もちろん、どの作品もエンターテイメントとして大変質が高いことも書き添えておきます。一気に見ると頭がくらくらするぐらいに多様でファンタスティックな、TBAスタジオの作品群をぜひスクリーンで楽しんでください。  (学芸員・杉原)

10/9木11:00 10/13月祝14:00 10/17金14:00  

カナ 夢を織る女(ひと)
K’na The Dreamweaver

協力:あいち国際女性映画祭
2014/フィリピン/カラー/85分/日本語字幕付き/字幕翻訳:細田治和

監督:イーダ・アニータ・キト・デル・ムンド 
出演:マラ・ロペス・ヨコハマ、RK バガチン




ミンダナオ島南西部のセブ湖周辺にはティボリ族が暮らしている。カナは、幼くして母を失い、神と交信できる夢織者の祖母に育てられ、自分も夢織者となってゆく。幼なじみのシラウと思いを寄せあうが、族長の父から、北の族長の息子との結婚を段取りされる。美しい映像で綴られる本作は、2014年のシネマラヤ映画祭最優秀美術賞と審査員特別賞を受賞した。

10/5日14:00 10/12日11:00 10/16木14:00  

ルナ将軍
Heneral Luna | General Luna

2015/フィリピン/カラー/118分/日本語字幕付き

監督:ジェロルド・ターログ 
出演:ジョン・アルシラ、モン・コンフィアード


1898年、300年以上に及んだスペイン支配を経て、フィリピンは新たに米国の脅威に立ち向かっていた。アントニオ・ルナ将軍は、祖国の自由のために不屈の愛国心と統率力でアメリカとの戦いを指揮する。歴史的英雄であるルナ将軍の壮絶な戦いを描いた本作は、同国の映画賞・ルナ賞で10冠を獲得。大ヒット作となり、第88回アカデミー賞外国語映画賞フィリピン代表作に選出された。

10/4土14:00 10/10金14:00 10/23木14:00

サンデー・ビューティー・クイーン
Sunday Beauty Queen

2016/フィリピン/カラー/95分/日本語字幕付き

監督:バビー・ルース・ビララマ


OFW(海外で働くフィリピン人労働者)として、香港で働くフィリピン人家政婦たちが参加する美人コンテストを追ったドキュメンタリー。彼女たちは、週六日厳しい労働条件の下で働いているが、毎週日曜日仲間とともにコンテストに向けてダンスや発表の練習に取り組む。メトロマニラ映画祭で最優秀作品賞を受賞。日本との国際共同制作作品である「Sunday Cinderella」(2015)を原型としている。

10/4土17:00 10/11土11:00 10/22水14:00

バードショット
Birdshot  

協力:東京国際映画祭
2016/フィリピン/カラー/116分/日本語字幕付き/字幕翻訳:平井かおり

監督:ミカイル・レッド 
出演:メアリー・ジョイ・アポストル、アーノルド・レイエス




父親とふたりで農場に暮らす娘のマヤは、森林保護区に迷い込み、誤って絶滅危惧種のフィリピンワシを撃ち殺してしまう。警察が捜査を進めると、さらに恐ろしい事件が明らかになっていく。「レコーダー 目撃者」(2013)で注目された若き俊英ミカイル・レッド監督の長編第2作。第29回東京国際映画祭「アジアの未来部門」作品賞受賞。

10/9木14:00 10/19日11:00  

嘆きの河の女たち
Women of the Weeping River

2016/フィリピン/カラー/95分/日本語字幕付き/字幕翻訳:細田治和

監督:シェロン・ダヨック 
出演:ライラ・プトゥリ・P・ウラオ、シャリファ・パールシア・P・アリダンス



河をまたいだ2つのイスラム家族間で数年に渡り続く抗争により、愛する夫を失った若い未亡人サトラ。彼女の父を筆頭に、男たちは血の抗争を繰り返す。一方、女たちは本当に復讐で家族を守れるのかと、疑問を抱く。抗争の続く、イスラム教徒ミンダナオ自治地域が舞台。ダヨック監督もミンダナオ出身で、本作の出演者は全員イスラム教徒で演技未経験者である。

10/10金11:00 10/18土14:00

パティンテロ
Patintero: Ang Alamat ni Meng Patalo

協力:大阪アジアン映画祭 2016/フィリピン/カラー/88分/日本語字幕付き/字幕翻訳:井上俊子

監督:ミーク・ヴェルガラ 
出演:ナファ・ヒラリオ・クルーズ、ウィリアム・ブエナヴェンテ



伝統的なストリートゲーム「パティンテロ」に夢中の少女・メン。学校や近所で負け犬呼ばわりされているメンは、町で開催されるパティンテロの大会で勝利しようと闘志を燃やす。「少林サッカー」(2001)や「ピンポン」(2002)にインスパイアされた映像表現が楽しい。ヴェルガラ監督はデビュー作にして、2015年のQシネマ国際映画祭で観客賞、ジェンダー・センシティビティ賞を受賞。

10/5日11:00 10/12日14:00  

至福 
Bliss

協力:大阪アジアン映画祭
2017/フィリピン/カラー/100分/日本語字幕付き/字幕翻訳:手束紀子

監督:ジェロルド・ターログ 
出演:イザ・カルサド、イアン・ヴェネラシオン


自ら出資した映画の主役を演じることになった30代女優のジェーンは、撮影中の転落事故によって昏睡してしまう。自宅のベッドで目覚めたジェーンは夫に軟禁されていた。生死の境をさまよいながら、現実と悪夢を行き来するような衝撃のサイコスリラー。大阪アジアン2017にて、主演女優イザ・カルサドが最も輝きを放っている俳優に授与される薬師真珠賞を受賞した。

10/8水14:00 10/19日14:00  

影の内側
Smaller And Smaller Circles

2017/フィリピン/カラー/111分/日本語字幕付き/字幕翻訳:細田治和

監督:ラヤ・マーティン 
出演:ノニー・ブェンカミーノ、シド・ルセロ



顔と肉体の一部をえぐられた10歳過ぎの男子が次々発見される、通称パヤタス事件。修道司祭であり法医学者でもあるガス・サエンス神父は、NBI(国家捜査局)から捜査協力を依頼される。若手エリート神父のルセロを右腕とし、真実を丁寧に拾い集めていく。組織の腐敗や政治的圧力に争いながら、神父が事件を解決していく、フィリピン流犯罪ミステリー。

10/11土14:00 10/13月祝11:00 10/23木11:00

こことよそ
Dito At Doon | Here And There

協力:大阪アジアン映画祭 2021/フィリピン/カラー/100分/日本語字幕付き/字幕翻訳:高井清子

監督:JPハバック 
出演:ジャニーン・グッチェーレス、JC サントス




コロナ禍で厳格なロックダウン中のマニラ。自宅で過ごす女子大生のレンは、オンラインでつながる時間だけが、気晴らしになっていた。ある日、リモート飲み会で友人に紹介されたイケメンに心惹かれるが、翌朝、レンのSNSの投稿に絡んできた男性だと判明する。室内のみで展開する軽やかな「リモート」ラブコメディ。オンラインとオフラインの映像上の表現が見事。

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