企画上映

アジアの女性映画監督再考

第5期:フィリピン篇

マリルー・ディアス=アバヤ監督(「ホセ・リサール」)作品を中心に、フィリピンの女性監督の作品を特集します。


会期:5月14日(水)~6月1日(日) ※休館・休映日除く 
観覧料: 
大人=500円/大学生・高校生=400円/中学生・小学生=300円/福岡市在住の65歳以上の方・「わたすクラブ」会員=250円(要証明書・会員証原本提示)/障がい者の方および介護者の方1名=無料(要証明書提示)


5/14水14:00 5/25日11:00

カルナル 愛の不条理 Of the Flesh

1984/フィリピン/カラー/110分/日本語字幕付き 
監督:マリルー・ディアス=アバヤ
出演:チャリト・ソリス フィリップ・サルバドール

 



1930年代のフィリピン。ナルシンはプリンと結婚し田舎の村に帰ってくる。ところがナルシンの父親は、自殺した母親によく似たプリンに関係を迫り、ナルシンは父親を殺害してしまう。アバヤ監督の初期の作品。社会から隔絶された村で起きる悪夢のような事件は、マルコス政権末期の当時のフィリピンを暗示している。

5/18日11:00 5/23金11:00

愛すればこそ  
Because I Love You

1993/フィリピン/カラー/111分/日本語・英語字幕付き
監督:ローリス・ギリエン
出演:ヴィルマ・サントス クリストファー・デ・レオン



本作の主人公ドルスーラ・コルテスは実在の人物で、フィリピンで初めてエイズ患者として実名でのインタビューに応じた人物として、フィリピンでは大きな話題となった。エイズへの偏見や、患者を取り巻く問題を描きながら、常に前向きに生きるドルスーラ・コルテスの姿が、力強く生きる女性として描かれる。

5/15木14:00 6/1日14:00

貴女のためにたたかう  
Redeem Her Honor

1995/フィリピン/カラー/133分/日本語・英語字幕付き
監督:マリルー・ディアス=アバヤ
出演:シャーメイン・アーナイス ニーダ・ブランカ



メイドとして働くマリアは、家の主人にレイプされてしまう。マリアの母親は裁判を起こす。教師のヒルダはまもなく結婚する予定だった。しかし以前つきあっていた男から睡眠薬を使って乱暴されてしまう。実際に起こった法廷事件を再現して大評判となったテレビドラマの映画化作品。2部構成の映画で、いずれも被害者の女性が周囲のサポートにより立ち上がる姿を描いている。

5/22木11:00 5/28水14:00

マドンナ・アンド・チャイルド
Madonna and Child

1996/フィリピン/カラー/121分/日本語・英語字幕付き
監督:マリルー・ディアス=アバヤ
出演:ローナ・トレンティーノ ステファノ・モーリ





未婚で出産したロエラは、2歳の息子を教会に預けて香港に働きに行く。ロエラは、7年後フィリピンに帰って来るのだが、教会が移転しており、息子は行方不明になっていた。ロエラは恋人と共に息子の行方を探すのだった。海外契約労働者というフィリピンならではの問題と、家族の愛情の関係を問いかけるアバヤ監督の代表作。

5/17土14:00 5/23金14:00

ミラグロス Milagros

1997/フィリピン/カラー/133分/日本語・英語字幕付き
監督:マリルー・ディアス=アバヤ
出演:シャーメイン・アーナイス ダンテ・リベロ





酒場のダンサーとして働くミラグロスは、父親が死亡し、莫大な借金が残された事を知る。母親と一緒に借金返済のため農場で働くのだが、地主と彼の息子達はミラグロスに好意を寄せるのだった。ひ弱だが自由な存在であるミラグロスは、大自然と感応する不思議な力を持っており、一種の女性賛歌映画。ミラグロスを演じるシャーメイン・アーナイスの溌刺とした魅力が光る作品。

5/17土11:00 5/30金14:00

海に抱かれて In the Navel of the Sea

1998/フィリピン/カラー/113分/日本語・英語字幕付き
監督:マリルー・ディアス=アバヤ
出演:ジョマリ・イラーナ エリザベス・オロペサ

 



1950年代フィリピンの離島。島で唯一の助産婦ローサは、ペピートという息子と二人で暮らしていた。ペピートは母親の後を継いで助産夫になろうとする。本作は島で暮らす人々の群像劇であり、呪術や呪いが信じられている不思議な世界が描かれる。西洋文化と伝説、信仰が共存する、独立直後のフィリピンの田舎の生活と雰囲気を伝える、ファンタジックな傑作である。


5/16金11:00 5/24土14:00

ムロアミ  Reef Hunters

1999/フィリピン/カラー/119分/日本語・英語字幕付き
監督:マリルー・ディアス=アバヤ
出演:セサール・モンタノ ペン・メディナ



フレッドは少年達を雇うと、船でムロアミ漁に出港する。少年達は海に潜ると海底を石で叩き、魚を網に追い込んでいく。魚を沢山捕ることに血眼のフレッドは、部下の進言にも耳を貸さない。フィリピンで実際に行われていたムロアミ漁を描いた作品。環境破壊、児童労働などを告発した作品だが、見事な水中撮影シーンが素晴らしい。フィリピンで大ヒットした作品。

5/15木11:00 5/24土11:00

母と子 Child

2000/フィリピン/カラー/120分/日本語・英語字幕付き
監督:ロリー・B・キントス
出演:ヴィルマ・サントス ジョエル・トーレ

 



香港で家政婦として働いたジョシーは6年ぶりにマニラに帰ってきた。二女のダダイは母親の事を忘れ、長男のマイケルは成績が落ちて奨学金をもらえなくなっていた。長女のカーラはドラッグに手を出して毎晩遊び歩いていた。フィリピン独特の問題に焦点をあて大ヒットを記録、日本でも劇場公開(日本語は「母と娘」)された作品。名女優ヴィルマ・サントスが主演し、カーラと感情をぶつけ合う対決はすさまじい。

5/16金14:00 5/31土14:00

光、新たに  New Moon

2001/フィリピン/カラー/134分/日本語・英語字幕付き
監督:マリルー・ディアス=アバヤ
出演:セサール・モンタノ アミー・オーストリア



マニラに住むアフマッドの家族はミンダナオ島で暮らしていた。ある日家族がイスラム教武装集団に襲われ、息子が死んでしまう。島に帰ったアフマッドは家族を連れて安全な場所を探す。フィリピンで実際に起きた政府軍と、イスラム教武装集団との戦いを背景にした作品。この映画の製作中にニューヨークで同時多発テロが起き、アバヤ監督の平和への強いメッセージが込められている。

5/21水14:00 6/1日11:00

アメリカンアドボ  American Adobo

2002/フィリピン/カラー/104分/日本語・英語字幕付き
監督:ローリス・ギリエン
出演:クリストファー・デ・レオン リッキー・ダバオ



テレ、マイク、ジェリー、マリーサ、クリスの5人はニューヨークに暮らすフィリピン人。彼らはそれぞれに問題を抱えながらも、折にふれホームパーティーを開き、人生やフィリピンについて語り合うのだった。在米フィリピン人を描いた珍しい作品で、アメリカで初めてロードショーされたフィリピン映画。

5/22木14:00 5/25日14:00

昔と今  Then and Now

2003/フィリピン/カラー/127分/日本語・英語字幕付き
監督:マリルー・ディアス=アバヤ
出演:ディナ・ボネビー エウラ・バルデス





ジョーイは10年ぶりに母親の住むマニラに帰ってくる。母親が癌になり介護をするためだった。ジョーイは古くからの友人たちと旧交を温める。友人たちも皆家族持ち、それぞれの悩みを抱えていた。本作はアバヤ監督が1982年に監督した「モラル」という映画の続編である。「モラル」は本作の登場人物の青春時代を描いたもので、本作は彼女たちの20年後を描いたものである。

5/18日14:00 5/29木14:00

ドバイの恋  Dubai

2005/フィリピン/カラー/110分/日本語・英語字幕付き
監督:ロリー・B・キントス
出演:アガ・ムラック ジョン・ロイド





中近東のドバイで働くフィリピン人ラフィーは、唯一の肉親である弟のアンドルーを呼び寄せる。二人の夢はお金をためてカナダに移住することだった。しかしラフィーは生活に困った仲間にお金を貸しており、ほとんど貯金がないのだった。成長著しいドバイの生活が描かれる作品で、チャンスを求めて多くの外国人が生活していることが分かる。

上映スケジュール

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