企画上映

アジアの女性映画監督再考 第1期:インド篇

会期:8/17(土)~8/30(金)  上映作品の紹介はこちら


監督プロフィール



 








サイー・パラーンジペー Sai Paranjpye

ヒンドゥー語映画界における女性監督のパイオニア的存在。
1938年、ウッタル・プラデーシュ州の州都ラクナウ生まれ。父はロシア人の水彩画家、母は女優・作家で後に国会議員となったShakuntala Paranjpye。幼い頃に両親が離婚し、オーストラリアに高等弁務官として赴任していた母方の祖父の下で育つ。
幼少期から才能に恵まれ、8歳の時には自作の童話が出版される。作家、脚本家を経てテレビ界入り。長編劇映画の第1作『Sprash(接触)』(80)は数々の賞に輝き、続く第2作『Chashme Buddoor(邪視よ去れ)』(81)は興行的に大きな成功を収め、2013年にはリメイク版がリリースされている。第4作『希望の行方』(91)、第6作『メロディ』(97)はアジアフォーカス・福岡映画祭で上映された。
パラーンジペー監督は来福時のシンポジウムでアジアのフィルム保存の困難な状況を訴え、「福岡にアジアのフィルム・ライブラリーを作っては」と提言し、それが福岡市総合図書館映像ライブラリー(現在のフィルムアーカイブ)開設へとつながった。
その後もテレビや映画製作、そしてインド児童映画協会の会長を2期務めるなど活躍を続け、2006年にはインド政府よりパドマ・ブーシャン勲章を受章。2016年に自伝をマラーティー語で発表するとベストセラーとなり、2020年には第5版と英語版も出版されている。 (監督画像はご本人より2022年提供)












ハントーナ・ボルドロイ
Santwana Bardoloi

1948年、アッサム州グワーハーティー生まれ。アッサム医科大学で医学博士号を取得し、小児科医として同州のディスプル病院に勤務。現在も同病院のディレクターを務めている。
学生時代に女優としてデビューし、ラジオや舞台・テレビで活躍、そして映画監督として2作品を送り出している。
初の長編映画『飛びたち』は、作家インディラ・ゴスワミによるアッサム語小説を原作として1996年に発表された。医師として働くかたわら、わずか1か月の休みをとって制作した本作は、女性の願望や愛のあり方をオープンに描いた画期的な作品となった。アッサム語映画史における傑作として高く評価され、インド国際映画祭他で受賞、国内外の映画祭において上映された。
そして、20年の歳月を経た2016年、2作目となる長編『Maj Rati Keteki』を発表。名優アディル・フセインが主演を務め、ケーララ国際映画祭等で公開。『飛びたち』と同様に、インドのナショナル・フィルム・アワードにおいて最優秀アッサム語映画に選出された。2015年にはインド政府よりパドマ・ブーシャン勲章を受章している。 (監督画像は1997年アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時)












アパルナ・セン
Aparna Sen

1945年、コルカタ生まれ。父は映画監督・評論家で、サタジット・レイ監督とともにコルカタ映画協会を設立したチダーナンダ・ダスグプタ、母は衣装デザイナーのスプリヤ・ダスグプタ。1961年にサタジット・レイ監督の『三人の娘』で女優としてデビューし、その後ベンガル語・ヒンドゥー語映画界のトップ女優として活躍。
一方、1981年には監督として初作品『チョウランギー通り36番地』を製作し、第1回マニラ国際映画祭でグランプリを受賞し、さらに『パロマ』(1985)を発表。監督としての代表作ともいえる『パロミタ』(1999)、『Mr.&Mrs.アイヤル』(2002)、そして日本人女優を起用した『妻は、はるか日本に』はアジアフォーカス・福岡映画祭で上映された。
1987年、インド政府よりパドマ・シュリー勲章を受章し、現在に至るまで監督として16作品、女優としても数多くの作品を送り出している。監督最新作である『The Rapist』 (2021)は釜山国際映画祭でキム・ジソク・アワードを受賞。2024年1月のロッテルダム国際映画祭ではアパルナ・センに関するドキュメンタリー『Parama – A Journey with Aparna Sen』(シュモン・ゴーシュ監督)が公開され、現在も映画界の注目を集める存在である。 (監督画像は2011年アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時)












スーニー・ターラープルワーラー
Sooni Taraporevala

1957年ボンベイ生まれの脚本家、写真家、映画監督である。パールシー教徒(インドのゾロアスター教)の一家で育ち、奨学金を得て米国のハーバード大学に進学し、1980年学士号を取得。そしてニューヨーク大学大学院で映画理論・映画批評を学び、修士号を取得した後、インドに帰国し、プロの写真家として活動する。
脚本家として注目を集めたのは、アカデミー賞の最優秀外国映画賞にノミネートされた『サラーム・ボンベイ!』(1988)。その後、脚本作として、『Mississippi Masala』(1991)、『My Own Country』(1998)、『Dr. Babasaheb Ambedkar』(1999)、『Such a Long Journey』(1999)、『The Namesake』(2006)を発表し、高い評価を受けた。
映画監督としては、自身の出身であるパールシーの人々が住む地区を舞台とした『僕はジダン』(2007)で長編デビューを果たす。脚本も担当した本作は、インド政府のナショナル・アワードをはじめ国内外の映画祭で受賞し、大きな成功を収めた。同じく監督・脚本を手がけた第二作『Yeh Ballet』は、ムンバイの労働者階級出身のバレエ・ダンサーを描いた作品である。バーチャルリアリティーによるドキュメンタリーで、ネットフリックスで公開されている。
写真家としての活動も継続し、作品は世界各国の美術館で展示され、デリーの国立近代美術館やニューヨークのメトロポリタン美術館ではコレクションとして収蔵されている。
2014年、インド政府よりパドマ・シュリー勲章を受章し、現在もムンバイに在住している。 (監督画像は2011年アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時)

アジアの女性映画監督再考 第2期:香港・台湾篇

会期:9/1(日)~9/20(金)  上映作品の紹介はこちら


監督プロフィール



 





アン・ホイ  Ann Hui 許鞍華

現代の香港映画界を代表する監督。1947年、中国・遼寧省で中国人の父と日本人の母の間に生まれ、5歳の頃マカオへ、その後香港に移住した。古典文学を好んだ祖父母の影響で幼いころから漢詩をたしなみ、文学や哲学に傾倒するようになる。香港大学で英語と比較文学を学び、修士号を取得。1973年に英国に渡り、ロンドン・フィルム・スクールで映画製作を学ぶ。
1975年、香港に帰国。武侠映画の巨匠キン・フーのアシスタントとして活動するとともに、テレビ業界において数多くのドキュメンタリーやドラマ番組を手がける。1979年、初の長編映画『シークレット』を発表。映画監督デビューとなった本作は、台北金馬奨においてその年の映画10本に選出され、「香港ニューウェーブ」の旗手として香港映画界を牽引した。 その後、『望郷』(1982)『客途秋恨』(1990)『女人、四十』(1995)『千言萬語』(1999)『男人四十』(2002)『生きていく日々』(2007)『桃さんのしあわせ』(2012)『黄金時代』(2014)他、監督として30作品以上を生み出す。
作品ジャンルは恋愛やコメディ、ホラー、ホームドラマ、歴史物語など多岐にわたり、その中で、香港社会から取り残された不遇な人々や声なき弱者を独自の視点で描き出している。作品では、議論を呼ぶテーマや社会問題に果敢に取り組みつつ、社会の規範や限界に挑み続け、これまでに香港電影金像奨最優秀監督賞に6度、金馬奨最優秀監督賞に3度輝く。2020年、ヴェネツィア国際映画祭で生涯功労賞の金獅子賞受賞を受賞、また同年、自身についてのドキュメンタリー映画『我が心の香港〜映画監督アン・ホイ』が公開された。 (監督画像はご本人より2022年提供)













メイベル・チャン
 Mabel Cheung  張婉婷

1950年、香港生まれ。1980年代の香港ニューウェーブにおいて脚光を浴び、長年にわたり香港映画界を牽引する監督の一人である。 香港大学で英文学と心理学、そして英国のブリストル大学で演劇を学ぶ。1978年から80年まで香港でテレビ制作に携わるが、その後渡米し、ニューヨーク大学で映画制作を専攻し、修士号を取得した。
1984年、アメリカでの生活や経験をもとに、初の監督作品『非法移民』を制作し、その後『誰かがあなたを愛してる』(1987)、『八両金』(1989)を発表。この“移民三部作”と呼ばれる3作品は、故郷である香港を中心とした移民問題やディアスポラといった歴史的かつ現代的なテーマを描き、国内外で高く評価された。
1996年には、『宋家の三姉妹』を5年の歳月をかけ制作。実在の3姉妹を国際派トップ女優が演じ、そして衣装のワダエミ、音楽の喜多郎、他、著名なスタッフが参画した歴史大作となった。その後も『玻璃の城』(1998)、『Traces of a Dragon: Jackie Chan & His Lost Family』 (2003)、『Echoes of the Rainbow』(2010)、等、精力的に映画制作に取り組んでいる。 ニューヨーク時代に出会った脚本家アレックス・ローは長年公私にわたるパートナーであり、数々の作品を共同制作している。最新作は母校を撮ったドキュメンタリー『To My Nineteen-Year-Old Self』(2022)。現在、香港電影発展局の副主席も務めている。 (監督画像は1999年アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時)








クォ・チェンティ 
Kuo Chen-Ti 郭珍弟

1965年、台湾・桃園に生まれる。国立台湾大学で心理学を学ぶかたわら、舞台製作・演出に携わる。その後渡米し、テンプル大学ラジオ・テレビ・映画学科で美術学修士号(MFA)を取得。
2003年、長編ドキュメンタリーの監督デビュー作『Viva Tonal - The Dance Age』(跳舞時代)で、台北金馬影展の最優秀ドキュメンタリー賞を受賞する。2009年には初の長編劇映画『Step by Step』を製作。2作目の『山猪温泉』(2014年)は、2009年の台風により被災した台湾南部の山岳地帯の人々から着想を得た作品で、モントリオール世界映画祭やアジアフォーカス・福岡国際映画祭他で上映された。
その後もドキュメンタリーとフィクションの両方に取り組み、遠洋漁業の船員たちに密着したドキュメンタリー『Trapped at Sea, Lost in Time』(2015年)、オムニバス作品『越年 Lovers』(2020年)を発表。岡本かの子の小説を原作とした『越年 Lovers』では、監督と脚本を担当し、年越しを迎えた台湾、日本の山形、クアラルンプールを舞台に男女3組の恋物語を描いている。最新作は劇映画『Final Exam』(2021年)で、シアトル国際映画祭他で選出されている。 (監督画像は2014年アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時)










チェン・シンイー
Chen Singing 陳芯宜

台湾でドキュメンタリー、フィクション、映画音楽など、幅広いジャンルの作品で活躍を続ける監督である。1974年に台北市で生まれ、輔仁大学を卒業後、台湾インディペンデント映画の草分けであるホアン・ミンチュアン監督の下で映画制作を学ぶ。
2000年に『我叫阿銘啦』(Bundled)で長編映画デビューを果たし、アジアフォーカス・福岡国際映画祭でも上映された『神も人も犬も』(God Man Dog 、2007年)も含め、国内外の映画祭で高い評価を得る。その後、『The Walkers』(2014年)、『The Moving Tent』(2018年)といったドキュメンタリー作品も発表。VR技術にも関心を広げ、2018年に『Afterimage of Tomorrow』を発表し、同じくVR作品である『The Man Who Couldn't Leave』(2022年)はヴェネツィア国際映画祭でヴェネチア・イマーシブ最優秀体験賞を受賞した。
チェンの作品において共通しているのは、苦悩を抱える人々への深い共感や社会正義への強い意識である。これまでに、ベルリン、釜山、フリブール、金馬奨、台北映画祭、クレテイユ等、30以上の国際映画祭で上映/受賞している。
新作『The Clouds Are Two Thousand Meters Up』は、2023年ヴェネツィア・ギャップ・ファイナンス・マーケットに選出されている。(監督画像は2008年アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時)











ツェン・ウェンチェン

Tseng Wen-Chen
曾文珍

淡紅大学マスコミ学部、台南芸術学院を卒業後、ドキュメンタリー監督として活躍。台湾において、恵まれない境遇にある人々とその人生を長年にわたり描き続ける監督である。
2002年、「白色テロ」の時代を生き抜いた台湾女性の半生を描いた『春天 ― 許金玉の物語』で、台湾のアカデミー賞にあたる第39回金馬奨で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。それに続き、台湾公共電視文化事業基金でドキュメンタリー『世紀栄美齢』(2003)を監督。2005年には初の劇映画作品である『飛び魚を待ちながら』(2005)を発表し、アジアフォーカス・福岡映画祭等、国内外で高く評価された。
最近では、『Love before Sunset』(2019)や『異国での生活から』(2020)、他を制作。台湾へ出稼ぎに来たベトナム人労働者の厳しい現実を描いた『異国での生活から』は、山形国際ドキュメンタリー映画祭等で上映され、好評を博した。自らの両親も移民であり、次作でも移民労働者をテーマとした作品に取り組んでいる。福岡市総合図書館フィルムアーカイヴでは、『春天 ― 許金玉の物語』と『飛び魚を待ちながら』の2作品を収蔵している。 (監督画像は2006年アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時)


アジアの女性映画監督再考 

第3期:パレスチナ・トルコ篇

会期:10/2(水)~10/6(日)  上映作品の紹介はこちら


監督プロフィール



 





ナジュワ・ナッジャール  Najwa Najjar

パレスチナでヨルダン人の父、パレスチナ人の母のもとに生まれる。アメリカで政治・経済学の学士号、映画・ビデオ制作で修士号を取得した。
1999年からドキュメンタリー映画を次々と発表。『Naim and Wadee'a』 (2000)は、1948年以前のテルアビブ・ヤッファ地区の生活を監督自身の親族であるパレスチナ人夫婦の姿を通して描いたドキュメンタリーで、ハンプトン国際映画祭等で高く評価された。2004年からは短編劇映画に取り組み、パレスチナの若い男女の悲恋の物語である『Yasmine Tughani』(2006) はロカルノ国際映画祭で賞に輝き、50以上の映画祭で上映されている。
長編劇映画としては、『ザクロとミルラ』(2009)でデビュー。2000年に起きた第2次インティファーダ(パレスチナ人による反イスラエルの民衆蜂起)を目の当たりにした監督が、紛争に翻弄される夫婦をパレスチナ自治区の都市ラマラを舞台に描いた作品である。サン・セバスティアン国際映画祭等で受賞、アジアフォーカス・福岡国際映画祭を含め数多くの映画祭で上映された。続く長編第二作の『Eyes of a Thief』(2014)は第87回米国アカデミー賞のパレスチナ代表作品に選出され、第三作の『Between Heaven and Earth』(2019)は2020年のヨーロッパ映画賞にノミネートされている。
2020年、アメリカ芸術科学アカデミーの会員となる。現在もパレスチナ在住で、精力的に映画制作を続けるだけでなく、パレスチナ映画界の後進育成にも取り組んでいる。(監督画像は2009年アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時)










ハンダン・イペクチ  Handan İpekçi

1956年、トルコ・アンカラ生まれ。ガジ大学メディア学部でラジオ・テレビ制作を学び、1993年にドキュメンタリー『Song of the Kemence』を発表。翌年の1994年、初の長編劇映画作品となった『軍隊にいる父』はベルリン国際映画祭パノラマ部門等で上映された。第1作と同様に子どもと政治の問題を描いた『少女ヘジャル』(2001)は世界中の映画祭で高く評価され、第74回米国アカデミー賞の外国語映画賞トルコ代表作品に選出された。その後も『Sakli Yüzler (Hidden Faces)』(2007)、『Çinar Agaci (The Plane Tree) 』(2011)、『Diyet(The Payoff)」(短編、2023)等を発表し、活躍を続けている。
『少女ヘジャル』は、紛争で家族を失ったクルド人少女と、妻に先立たれ孤独な生活を送るトルコ人の元判事の心の交流を描いた物語である。イペクチ監督はこの作品で2003年のアジアフォーカス・福岡映画祭に参加した。来福した監督は、『少女ヘジャル』の制作に先立つ1998年、トルコは建国75周年を国家規模で祝ったが、実はその陰には深刻化するクルド問題があった、と語っている。2001年の制作当時、同作の作品シナリオについては政府から許可が出ていたが、アンカラ映画祭他で受賞すると、政府から上映禁止命令が出たという。しかし監督は裁判で勝訴し、上映を勝ち取るという経緯をたどった。 (監督画像は2003年アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時)








 


ペリン・エスメル Pelin Esmer

1972年にトルコ・イスタンブールで生まれ、1995年、ボガチッチ大学で学士号(社会学)取得。現在もイスタンブール在住で、劇映画とドキュメンタリーの両方で活躍する映画監督、脚本家である。
大学卒業後、Ziya Ozatn監督作『Cumhuriyet (The Republic)』の助監督を務め、映画界入りを果たす。2002年に1作目のドキュメンタリー『The Collector』を発表すると、ローマ・インディペンデント映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞に輝いた。2005年、自身の映画制作会社Sinefilmを設立。そして同年に制作した長編ドキュメンタリー『The Play』はサン・セバスティアン映画祭(スペイン)でプレミア上映されるなど、高い評価を受けた。初の長編劇映画となった『11時10分前』(2009)も、国内外の映画祭で多数受賞している。
ドキュメンタリー『The Collector』は、エスメル監督の伯父でコレクション収集癖のあるミトハトの姿を追った作品で、これをもとに制作されたのが長編『11時10分前」である。この作品では、アパート管理人のアリ役はトルコの有名俳優が演じているが、主演は伯父本人が務め、伯父にとっては高齢ながら演技初披露の作品となった。監督は、自らのコレクションに固執するミトハトを特別な存在として愛情をこめて描きつつも、「自分の伯父だからという理由だけでなく、人生に挑んでいく“闘士”としての生き方を尊敬している」と、2010年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭で語っている。
エスメル監督はその後、『Watchtower』(2012)、『Something Useful』(2017)、『Queen Lear』(2019)、『And The Rest Will Follow』(2024)を発表し、全作において監督と脚本を手がけながら活躍を続けている。 (監督画像は2010年アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時)